ポスト安倍レースかき乱す「二階幹事長」の思惑 石破氏に接近、岸田氏にエールの狙いとは
二階氏はかねてから「現政権が任期いっぱい、しっかり務めることを幹事長として補佐したい」と語るなど、幹事長続投への強い意欲を隠さない。9月8日まで幹事長を続ければ、通算在職日数で田中角栄氏(元首相)の1497日を抜いて最長記録保持者となる。そのため、「幹事長の座を死守する必要がある」(側近)。
安倍首相はかねて自らの後継者に岸田氏を推す意向をにじませており、二階氏が岸田氏に接近することにも「複雑な思いを隠せない」(周辺)とされる。二階・石破会談で生じた二階氏への不信感も絡み、安倍首相が幹事長人事でどういう決断をするのか、強い風圧になっているのは間違いない。
二階・麻生がポスト安倍で手を組む?
石破、岸田両氏との個別会談と並行して、二階氏は安倍首相や麻生氏を含む与党有力者とも相次いで会談している。国会閉幕直前の6月16日には麻生氏と会談。衆院解散のタイミングやポスト安倍をめぐり、互いに腹を探り合ったとされる。両氏は7月15日にも再会談しており、「2大実力者としてポスト安倍で手を組むのでは」(細田派幹部)との憶測も広がる。
さらに、菅義偉官房長官とは6月17日と7月1日に会談している。前者は二階・麻生会談の翌日、後者は二階・岸田会談の前日という「まさに政局的なタイミング」(自民長老)での会談だ。
菅氏は二階、麻生両氏とともに政権の3本柱の一角を占める。二階氏の幹事長続投で連携したとされる2019年夏以来、政権運営でも二階、菅両氏の連携が目立つ。こちらも「ポスト安倍をにらんだ二階流の戦略」(閣僚経験者)との指摘が多い。
そうした一連の政局会談のさなかの6月24日に、二階氏は安倍首相と密談した。二階氏側近の林幹雄幹事長代理が介添え役として同席したが、安倍首相と二階氏が少人数で会食するのは2年3カ月ぶり。安倍首相は同日昼には公明党の山口那津男代表と首相官邸で昼食をともにしており、安倍首相と二階氏の会談は「与党内の政局モードを一気に加速させた」(自民幹部)結果となった。
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