マスキングテープの華麗な変身、地味な作業用品が人気雑貨へ

塗料の付着防止などに建築現場で使われている「マスキングテープ」。この地味な作業用品が近年、“雑貨”として人気を集めている。和紙製ならではの発色や風合いに加え、手でちぎって使える手軽さが受け、ラッピングや室内装飾などに用途を広げている。

華麗なる変身のきっかけは約3年前。東京在住の女性3人が、マスキングテープの主要メーカーであるカモ井加工紙(岡山県)に工場見学希望のメールを送った。その後、テープを使った作品集が届いたことに感銘を受け、会社側が快諾したところ、新色まで提案された。戸惑いながらも雑貨への展開に興味を持った社員3人が集まり、細々と開発を開始。微妙な色を和紙で表現するのに何度も試作を重ね、2008年2月に萌葱(もえぎ)、銀鼠(ぎんねず)など20色からなる雑貨ブランド「mt」の発売にこぎ着けた。

「もともと実験的な要素が強い」(mt担当者)こともあって、ネットで利用者の作品を募ると、造花や壁画などユニークな利用法が集まった。同時に口コミで話題となり、生活雑貨店などからも引き合いが殺到し、一気に人気雑貨の仲間入りをした。カモ井では現在83種類の色や柄を展開。発売以来、売上高は毎年計画の1.5倍を超え、「今では全社的に盛り上がっている」という。今後は海外展開も計画。勢いは当分続きそうだ。

(倉沢美左 =週刊東洋経済)

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