ただし、パブリックベータ版のiOS 14ではまだこの機能が実装されていなかった。秋に配信される正式版まで待つか、パブリックベータのバージョンが上がれば実装されるかは不明。設定方法などの詳細も、今のところ案内されていない。標準のブラウザーやEメール以外を使っているユーザーには、非常に影響が大きい新機能になるため、早期実現に期待したいところだ。
3.「ボイスメモ」機能が大幅に進化した
シンプルな録音と編集機能が売りだったボイスメモも、iOS 14で大幅に進化している。まず注目したいのが、録音の品質を向上させる機能だ。iOS 13までは、圧縮形式を「非可逆圧縮」か「ロスレス圧縮」の2つから選択することはできたが、それ以外は、削除したファイルを何日で消去するかといったことや、ファイル名に位置情報を使うかといった程度の変更しかできなかった。iOS 14では、ここが大きく進化する。
まず、ボイスメモに「音質改善」の機能が加わっている。これは、録音後に音質をクリアにするためのもの。録音したい音声の背後に流れているノイズや、室内に響いた声などを除去することができる。録音中ではなく、録音後にボタンをタップすると、自動で音質が改善される。会議の議事録などを作成するために録音しておいた音声が、後から聞いたときに周りの音がうるさく、聞き取りづらかったというようなケースで役立ちそうな機能だ。
また、これまでボイスメモで録音したデータは、時系列にボイスメモ内に保存されていた。数が少ないうちはこれでもいいが、使い続けてファイルが増えると、少々探しづらいという問題があった。iOS 14のボイスメモでは、これも改善されており、「お気に入り」に指定したり、フォルダーを作って録音したデータを仕分けたりすることが可能になっている。
さらに、Apple Watch側のボイスメモで録音したファイルなどを自動で仕分ける「スマートフォルダ」にも対応。録音した後にファイルを管理するための機能が、大きく強化されている。少々地味ながら、ボイスメモは仕事にも活躍するアプリなだけに、うれしい進化と言えそうだ。
ほかにも、iOS 14にはさまざま機能が用意されている。例えば、メッセージアプリは、相手から送られてきた個々のメッセージに返信できるようになり、メッセージ内での会話の流れがわかりやすくなっている。新たに追加される翻訳アプリも、ビジネスシーンで活躍しそうだ。パブリックベータ版は誰でもインストールでき、一足先にこうした機能を試すことが可能だ。
ただし、あくまで開発中のバージョンになるため、利用する際には、必ずiOS 13のiPhoneのバックアップを取ってからにしたい。また、不具合が起こる可能性もあるため、クリティカルな仕事で使っているiPhoneにインストールするのは、避けたほうがいい。こうした注意点を踏まえたうえで、最新機能を試してみよう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら