阪神は、車両のカラーリングにかなりのバリエーションがあるが、大きく2パターンに分けることができる。普通列車に使われる車両は青系統、急行や特急に使われる車両は赤系統だ。
クロスシートを備える特急用車両を、ロングシートの急行・普通用車両と色分けする会社は多いが、阪神は普通用車両と特急・急行用車両で性能が違う(普通用車両は加速性能が良い)ため、このような区分けになっている。
愛称は漫画作品に由来
赤系統の塗装を初めて取り入れたのは、1958年に登場した3501形と3301形だ。上半分をクリーム、下半分を赤(バーミリオン)に塗り分けたその姿は、漫画やテレビドラマで大人気だった「赤胴鈴之助」にちなみ、「赤胴車」と呼ばれた。ただし、この頃のテレビはまだ白黒放送が主体(カラー本放送が始まったのは1960年)で、「赤胴鈴之助」ももちろん白黒。「赤い色」というのはまだ漫画だけの話だった。
この翌年には、下半分を青色とした5201形が登場し、こちらは「青胴車」と呼ばれるようになる。以来、35年以上にわたって2つのカラーリングが使われてきた。
阪神最後の「赤胴車」と後継車両
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かつては特急として本線を走った7861形
(筆者撮影)
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片開き扉が並ぶ7861形。戸袋窓があるのも
この形式が最後だった(筆者撮影)
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7861形の前面。小さな連結器が印象的だ
(筆者撮影)
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昭和の雰囲気が漂う7861形の車内
(筆者撮影)
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7861形の片開き扉。有効幅は両開き扉より若干狭い
(筆者撮影)
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アナログ式のメーターが並ぶ運転台。貫通扉前には
スポットクーラーが(筆者撮影)
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乗務員室と客室の仕切り。扉の上部は窓ガラスがない
(筆者撮影)
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7861形の行先表示器操作盤。本線の表示も
そのまま残っていた(筆者撮影)
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7861形の製造銘板。阪神の子会社、武庫川車両工業で
製造された(筆者撮影)
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片開き扉と戸袋窓が並ぶ7861形の側面
(筆者撮影)
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車庫で休む7861形。左奥には青胴車の姿が見える
(筆者撮影)
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役目を終えた2編成の赤胴車が並ぶ。
昔は当たり前の光景だった(筆者撮影)
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尼崎車庫で休む7890形
(筆者撮影)
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7890形の前面。裾の形が丸みを帯びている
(筆者撮影)
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ヘッドライトは近年LEDに交換された
(筆者撮影)
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車庫で解体の時を待つ7890形
(筆者撮影)
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7890形の側面。赤とクリームの塗り分けも
これで見納めとなった(筆者撮影)
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7890形の車内。こちらは戸袋窓がない
(筆者撮影)
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後継車の5500系。こちらは阪神甲子園球場を
イメージした「甲子園号」(筆者撮影)
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阪神タイガースをイメージした
「タイガース号」(筆者撮影)
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尼崎車庫で併結した武庫川線用5500系。武庫川線では
2編成が連結して走ることはない(筆者撮影)
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「甲子園号」の車内。バッターボックスが
描かれている(筆者撮影)
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「甲子園号」の座席モケットはボールの図柄だ
(筆者撮影)
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「タイガース号」の車内。球団のロゴなどが
各所に描かれている(筆者撮影)
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武庫川線を走る7861形。阪神最後の赤胴車は
ひっそり引退することとなった(筆者撮影)
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