新宿駅、自由通路完成で「私鉄の近道」消える? 小田急・京王から中央東口へJR改札内を通過

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新宿駅ならではといえるこの「作法」と、東口からでも短距離の移動で私鉄に乗れるという仕組み。東西自由通路の開業後にどうなるか、私鉄沿線の利用者なら誰もが気になることではないだろうか。

6月上旬にJR東日本東京支社に問い合わせてみると、「通過サービスは廃止する」との答えが返ってきた。「自由通路により、東西のアクセスが向上するから」という理由だ。

一方で、京王電鉄と小田急電鉄にも話を聞くと、京王は「協議検討中」、小田急は「現在、告知の準備をしている状況で、各社間で調整をしている段階」との回答だった。調整が続いており、まだ公表する状況にはないということのようだ。

東口へのルートは楽になるか

JR改札内の通り抜けが廃止ということになれば、今後は新たに開通する東西自由通路を通って東側から西側に行き、それぞれの私鉄の改札を利用することになる。

東西自由通路開通後の新宿駅構内図。現在、JRの西口改札・東口改札がある「北通路」が拡幅され、東西自由通路になる。改札は自由通路に面した形に移設される(画像:JR東日本)

たとえば、新宿駅東口側にある紀伊國屋書店を出て京王線に乗る場合、地下道を通って東口へ向かい、新しくできる東西自由通路を通って西口地下広場へと出て、京王西口改札から入ることになるだろう。距離は現状とそれほど変わらない。現在のJR改札内を通過するルートでは連絡通路に階段の上り下りがあるが(小田急の駅をくぐるため)、これがなくなる分負担は減るだろう。

小田急線利用の場合も同様だ。東口から東西自由通路を通って西口へと出て、西口地下改札から入るか、あるいは1フロア上がって西口地上改札から入るかだ。こちらも実際の距離はそれほど変わらないだろう。

ただ、中央東口改札からダイレクトに行ける場所を利用している人たちにとっては、東西自由通路経由はやや遠回りとなる。

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