住宅リースバックがにわかに活気づいている訳

自宅をいったん売却して賃貸する資産活用法

「リースバック利用者には、(期間を限定する)定期借家契約では不安という方も多いので、普通借家契約に切り替えることにした。昨年9月に東京スター銀行とも提携したリバースモーゲージ保証事業などの金融事業も伸ばしていく」

ハウスドゥの安藤正弘社長は今年2月の2020年6月期中間決算説明会でそう表明した。

ハウスドゥでは、2013年からリースバック件数を順調に積み上げてきたが、保有総額が100億円に迫ったタイミングから、不動産ファンドへの物件売却などに取り組んできた。今年3月末の保有物件は330件、保有総額も53億円とピークの半分程度に抑えている。

その一方で積極的に増やしているのがリバースモーゲージ保証などの金融事業だ。常務取締役の冨永氏が「一般消費者への資金提供は不動産会社の仕事ではない」と言うように、本来なら金融機関のリバースモーゲージが利用できれば問題ないのだが、金融機関にとっては不動産価格変動リスクへの対応が難しい。

リバースモーゲージを伸ばすうえでの壁

筆者が1年ほど前に東京スター銀行を取材したときも「リバースモーゲージを伸ばすうえで、最も困っているのが不動産担保評価。住宅金融支援機構の住宅融資保険が利用できるのなら、もっと取り扱いを増やせるのだが……」(ローン推進幹部)との悩みを聞いていた。

ハウスドゥのリバースモーゲージ保証は、不動産会社のノウハウを生かして不動産価格変動リスクを担保する保証を提供する。2017年の大阪信用金庫をはじめ信金を中心とした12金融機関と提携し、トップシェアの東京スター銀行もハウスドゥの保証を利用することにしたわけだ。

ちなみに住宅金融支援機構の住宅融資保険は、1955年に成立した住宅融資保険法に基づいて金融機関が提供する住宅ローンが不測の事態で事故になった場合、担保物件売却後の未回収元金を保険でカバーする制度だ。

同機構では2009年からリバースモーゲージの仕組みをまねて、高齢者向けに融資期間中は金利だけを返済して最後に元金を一括返済する住宅ローン「リ・バース60」を商品化。2017年からは住宅融資保険制度を適用して自宅を売却して債務が残った場合でも返済が免除されるノンリコース型の提供を始めて、一気に融資件数を増やしている。

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