韓国慰安婦団体の不正疑惑、何が問題なのか

補助金記載漏れ、個人口座との混同疑惑浮上

3つ目の疑惑は、受け取った支援金を尹氏が個人の口座になぜ入金したのかだ。尹氏は2018年と2019年に元慰安婦2人が死亡した際、SNS上で葬礼費用の募金活動を行ったが、その際に尹氏本人名義の口座を指定していた。別の元慰安婦がヨーロッパで慰安婦活動をする費用として同じような形で募金を求めたことがある。

寄付金や物品の募集と使用に関する法律によれば、寄付金や物品を1000万ウォン(約90万円)以上募集する際、募集方式と使用計画書を作成し、該当機関の許可を受ける必要がある。また、受け取る寄付金はそのときに明示した口座でのみ入金できる。

寄付金と補助金の2重受け取り疑惑も

であれば、尹氏はこのルールに従わず、個人口座を利用したことになる。個人口座は法人口座ほど厳格に管理されにくく、個人の金と寄付金が混ざり、私的かつ不当に流用しても発覚しづらい。正義連は「尹氏が元慰安婦らの実質的な喪主であり、弔慰金用の口座として利用した」と主張している。

このほかにも、正義連と挺対協は事実上同じ団体であるにもかかわらず、寄付金と補助金を2重に受け取ったのではないかとも疑われている。1990年に設立された挺対協と、2016年に設立された「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団」は、2018年に正義連として統合された。統合後も、それぞれ別法人として寄付金や補助金などを2重に受けてきたのではないのかという問題だ。

冒頭の李氏が記者会見を開いた後、市民団体は尹氏と現在の理事長である李娜栄(イ・ナヨン)氏らを横領と背任、寄付金品法違反などの容疑で検察庁に告発した。ソウル西部地方検察庁は5月20日、正義連と挺対協の事務室も兼ねる「戦争と女性人権博物館」(ソウル市)を家宅捜索した。翌21日には元慰安婦が住んでいた施設も家宅捜索した。

5月30日から尹氏は国会議員としての活動を始めることになる。国会議員には不逮捕特権が与えられる。現行犯ではないので、会期中は国会の同意なく逮捕・拘束することはできない。検察がスピードを上げて捜査している理由だ。

今後注目すべきなのは、正義連が故意に横領・背任を行ったとすれば、その決定を下した者は誰なのか。そして消えた資金はどこに、どのように流れていったのかだ。(韓国「ソウル新聞」2020年5月27日)

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