【産業天気図・化学】ナフサ再騰等で前半「曇り」、10年4月からは需要回復と収益構造改善で「晴れ」へ

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 また、すでに上期中に原料ナフサが再度上昇しており、下期は回復過程の重石となるのは避けられない。また、牽引役の中国需要の先行き不透明さも不安定要因。液晶テレビは需要が戻っているが、その一方で国内製造業の屋台骨を支える自動車の生産台数回復が遅れていることも、さらに懸念を増幅させる。

一方で10年4月以降には、液晶パネルに加えてようやく自動車の本格回復が見込まれるのが好材料。JSRや日本ゼオン<4205>は液晶パネル材料が好調な一方、自動車タイヤ向けの合成ゴムの回復が想定を下回っているが、来期になれば「両輪」が出そろう。半導体ウエハ主力の信越化学工業<4063>、SUMCO<3436>も液晶に比べて出遅れ感があった半導体の戻りが業績を押し上げることが見込まれる。

4月以降はエチレンセンターの再編策も具体化する。三井化学は千葉地区で出光興産<5019>とのコンビナート中核設備の一体運営を行う計画。三菱ケミカルHLDも旭化成と岡山・水島地区でのエチレンセンター統合を検討している。三菱ケミカルHLDはほかにも、三菱レイヨンを株式公開買い付けで買収。10年4月からホールディングス傘下に加え、売上高は3兆円を突破する。住友化学も、サウジアラビア合弁会社のペトロ・ラービグ社が本格稼働するなど、来春以降の業界の動きは活発だ。需要回復とこういった再編、成長戦略の始動により、10年4月以降の化学業界は収益構造の大幅な改善と業績回復が期待できる。 

(鶴見 昌憲)

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