日本企業の雇用活動はやや回復だが、世界的に見れば消極性が目立つ
日本企業の純雇用予測は、来2010年第1四半期は今09年第4四半期に比べ、1ポイント増加。業種別では7業種中6業種で雇用意欲が改善。地域別では名古屋が回復基調にある。
総合人材サービスのマンパワー・ジャパンは、10年第1四半期(1~3月期)における企業の雇用計画を調査し「マンパワー雇用予測調査」を発表した。
同調査によれば、10年第1四半期に09年第4四半期より雇用数を「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた純雇用予測は−1%。09年第4四半期に比べて1ポイント増加となった。
業種別に見ると7業種中6業種(「金融・保険・不動産」、「製造」、「鉱工業・建設」、「公共・教育」、「サービス」、「卸・小売」)で、雇用意欲が改善している。特に製造業は+7%と3四半期ぶりに増加に転じた。一方、「運輸・公益」は−18%と調査開始以来の低水準だった。消費低迷で物流が低迷したことや海外旅行や海外出張が手控えられたことが原因。「運輸・公益」業界はしばらく低調な雇用活動を続けると見られる。
地域ごとに見ると名古屋が+4%とプラスに転じた。名古屋はトヨタ自動車を中心とした自動車産業の立ち直りから、雇用活動が明らかに回復基調にある。一方で、大阪は前四半期よりマイナス幅が拡大して−2%。東京は前四半期から横ばいの−1%。名古屋の復活を尻目に大阪と東京の雇用低迷はしばらく続きそうだ。
アジアでは日本だけがマイナス
海外に目を向けるとアジアの好調さが際立つ。アジアの調査対象国で純雇用予測がマイナスとなっているのは日本のみ。そのほかの7カ国・地域(中国、香港、インド、豪州、ニュージーランド、シンガポール、台湾)は軒並み+10%超となっており、なかでもインドは39%と大幅な雇用改善が予想される。