ロサンゼルス「コロナで外出禁止」の異常事態 何もしなければ「2550万人が感染」の可能性も

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この禁止令で、当然、州内では失業者が続出した。市長と州知事は、この間、「大家は家賃を払えない人を追い出してはいけない」「電気、ガス、水が止められることはない」と強調しているが、それだけでこの巨大な不安はぬぐえない。

そもそもL.A.は、映画やテレビの撮影クルーや役者、スタンドアップコメディアンなど、いわゆる「フリーランス」のカテゴリーに入る人が非常に多い街だ。売れない役者やスタンドアップコメディアンは、日頃から、ウエイターやUberドライバーなどの仕事を掛け持ちしているが、彼らは本業も、副業も、一気に失ってしまったのである。

映画やテレビの撮影がすべて中止されたことで、現場で働く大工、照明アシスタント、ドライバー、ヘアメイク、ケータリングなど多くの人が行き場を失った。大道具、小道具を貸し出す店、機材レンタル業者など、関連ビジネスに与える打撃も大きい。

ところで、撮影中止を受けて、医療ドラマの現場からは、小道具で使うはずだったマスクが、実際の医療現場に次々と寄付されているそうである。また、衣装デザイナーの組合員らは、マスクを縫ってただちに医療現場に届けるボランティア活動を始めようと動き出した。そのあたりは、いかにも映画の都ならではのエピソードと言えるだろう。

ロサンゼルスの「異常な日常」

では、「外出禁止令」真っ最中のL.A.の街は、実際、どんな感じなのか。ゴーストタウンのようなのかと思うと、意外に、そうでもない。筆者の住むウエストハリウッドがL.A.に歩いて行かれる珍しい街だというのもあるだろうが、この週末、通りは犬の散歩やジョギング、ウォーキングをする人たちで、かなり活気があった。

レストランは、テイクアウト用に営業を続けているところと、それだけではむしろ足が出るため完全休業をしているところが、半々くらい。営業をしている店の多くは、オーダーと支払いはオンラインで済ませ、店には引き取りにだけ来るようなシステムを採用している。そうすることで、接客の時間を最小限にできるからだ。

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