この春、つながり重視のCMが高評価だった理由 ワイモバ、JCB、任天堂CMに多くの共感集まる
新生活に向けて、携帯キャリア各社が学割キャンペーンの訴求を加速させている。
CM好感度1位に輝いたのはソフトバンク「Y!mobile」の新作だ。“ワイモバ学園”の学園祭のライブでピアノを連弾する桑田真澄・Matt親子をはじめ、吉岡里帆や横浜流星、『クレヨンしんちゃん』の野原一家が楽器を演奏しながら歌い踊り、親子でサービスが適用されることをアピールした。
息の合った演奏や楽しげな親子の様子を描き、男女とも小中高生や親世代を中心に支持を集めた。
NTTドコモ「NTT DOCOMO」の学割CMは3位にランクイン。橋本環奈と浜辺美波が卒業を目前に控えた女子高校生に扮し、星野源の『未来』をBGMに2人がこれまで一緒に過ごした日々を振り返り、大人になっても友達でいようと約束するストーリーだ。
出演者と同世代である若年女性を筆頭に幅広い世代から多く得票し、CM好感度の調査モニターからは「2人がとても楽しそうでかわいかった」「卒業シーズンですてきなCMになっていて、BGMもよく印象的でした」「SNSが常識になっている時代でも、卒業式に思うことは昔と変わっていないんだなぁ〜と思う」といった感想が寄せられた。
家族や仲間たちとつながる喜びや楽しさに焦点
ソフトバンク「SoftBank」は、岡田准一と賀来賢人が教師役を演じる「青春放題」シリーズの第4弾CMが7位に。両手いっぱいにお土産を買い、夜は枕投げを楽しむという修学旅行の定番シーンを描いた。
伸び伸びと青春を謳歌する生徒やノリの良い教師の姿が印象的で、「あんな学校があったら面白そう」「友達と旅行に行きたくなった。枕投げをしたい」「ザ・青春全開といったCM。楽しそうな学園生活いいなぁ」と好評だ。
11位に入ったKDDI「au」の学割CMは三太郎たちの授業参観という設定。寺子屋の教室で三太郎たちが「授業参観ドキドキだね」と話していると、「おーい、桃太郎!」と桃爺、こぶとり爺、花咲爺、意地悪爺の4役に扮した笹野高史がそろってにぎやかに登場する。親代わりだという4人がそれぞれうれしそうに桃太郎に手を振り、auの学割は“親もうれしい”サービスであることを伝えた。
各社ともCMの表現やトーンはさまざまだが、共通するのは料金訴求を前面に押し出すのではなく、家族や仲間たちとつながる喜びや楽しさに焦点を当てている点だ。毎年この時期は携帯キャリアから学割キャンペーンのCMが一斉にオンエアされるため、15秒のCMでサービス内容を視聴者に完全に理解してもらうのは極めて難しい。
携帯キャリアに限らず、成熟市場にあって優位性や独自性を打ち出しづらい商品の場合、広告で情緒的な価値をアピールしブランドへの好意度を高めることは有効といえるだろう。
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