愚の力 大谷光真著
浄土真宗の宗祖である親鸞は、自分は煩悩にまみれた「凡夫」だと言い、その師である法然は「愚者になれ」と言った。「凡夫」「愚者」であることを自覚することによって人は救われると説くのが浄土教の教えの要だという。
ひるがえって、現代社会は歯止めなき欲望に突き動かされ、万能だと勘違いした自己中心的な考え方が横溢した揚げ句、生きづらい世の中になってしまったと著者である西本願寺24代門主は嘆く。
人間は愚かな存在であり、周囲に生かされているからこそ生きられるのだということを自覚することの大切さを説く。親鸞聖人の教えを手掛かりに、先行き不透明な現代社会をよりよく生き抜くための知恵を与えてくれる。
文春新書 819円
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