佐藤優が説く「下品な人に心削られない働き方」 会社で急増?自分勝手であまりに図々しい人

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「私とは私とそれを取り巻く環境である」という言葉があります。つまり「私」は心を持っている自分自身と、自分を取り巻いている環境の2つの総体であり、相互作用であるということ。ですからメンタルを強くしたい、心を折れないようにしたいと考えたらやるべきことは2つあります。

1つは自分自身の内面を強くしていくこと。もう1つは自分を取り巻く環境を変えていくということです。できる限りストレスの少ない、快適な環境に変えていくことが大事です。自分自身と自分を取り巻く環境の2つを意識的に変えていくことが、心折れずに強く生きるためには必要です。

「自助・公助・共助」の3つが重要

その際に重要になるのが「自助・公助・共助」の3つだと私は考えます。

『メンタルの強化書』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

「自助」とは自分で自分を助けるということ。自分で何とかする力をつけるのです。「公助」とは公の助けを求めるということ。国や地方自治体のサービスを活用するということです。そして「共助」とは仲間同士で助け合うということ。地域の仲間でもいいし、昔の学生時代の仲間でもいい。とにかく仲間同士で助け合い、支え合うということです。

詳しくは拙著『メンタルの強化書』に書きましたが、この3つの「助」のバランスが大事です。中でもとくにポイントになるのが「公助」と「共助」でしょう。いずれも個々人がバラバラに頑張るのではなく、力を合わせるということ。束になるということです。

厳しい時代は、自分だけが何とか助かりたいと生活防衛に躍起になり、個々人がバラバラになってしまいがちです。自助も必要ですが、それだけに固執してしまうと弱くなってしまいます。そうではなく、みんなで力を合わせる。隣にいる人は競争相手ではなく、協力し合う仲間なのだと考える。厳しい時代こそ「束になる」ことが大切です。その発想の転換が、下品にならずに「強くなる」ためのポイントだと考えます。

佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

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さとう まさる / Masaru Sato

1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。

2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。2006年に『自壊する帝国』(新潮社)で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『読書の技法』(東洋経済新報社)、『獄中記』(岩波現代文庫)、『人に強くなる極意』(青春新書インテリジェンス)、『いま生きる「資本論」』(新潮社)、『宗教改革の物語』(角川書店)など多数の著書がある。

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