銀座線渋谷駅、「乗り換え大混雑」どう解消する? 新設の歩行者デッキは緩和につながるか

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現在、井の頭線方面から銀座線・JR線への乗り換え通路となっている東急百貨店東横店は、再開発に伴い今年3月末で閉店する。4月から9月13日までは、同店の建物(西館・南館)を使った期間限定のイベント「渋谷エキスポ」に活用され、その後解体される。2027年度には跡地に複合施設ビル「渋谷スクランブルスクエア」の中央棟・西棟が建つ予定だ。

2027年度の渋谷駅前とデッキのネットワークのイメージ。右下が井の頭線の駅で、銀座線やJR改札とは広いデッキで結ばれる(画像:渋谷駅前エリアマネジメント)
「西口アーバン・コア」のイメージ。大階段の上が銀座線・JR線改札のフロアになる(画像:渋谷区渋谷駅周辺整備課の動画より)

両ビルの建設とともに、井の頭線方面と銀座線・JR線改札は「西口アーバン・コア」と呼ばれる通路で結ばれ、広い階段やエスカレーターなどを通じて行き来できるようになる見込み。渋谷区渋谷駅周辺整備課の担当者によると、詳細は今後変わる可能性もあるものの「流動の多いルートになるので、多くの通行者をさばけるスペースを確保したい」との考えを示す。

工事中のルートはどうなるのか。2019年3月時点の地元関係者向け資料によると、今年の東京五輪開催時には百貨店の建物を取り巻く形の歩行者デッキ「西口仮設通路」が設置される予定となっている。

実際に西口駅前広場を見ると、デッキの工事が進んでいるのがわかる。渋谷駅周辺整備課によると、五輪開催時期には現在の東急百貨店ビル内を通るルートと仮設通路の両方を通行できるようになる見込みで、「(五輪開催時の)ピークをこなせるのではないか」という。

今後の姿、もっと情報提供を

ただ、それから2027年度の「完成形」に至るまでの途中経過については未定だ。東急百貨店東横店西館・南館の解体時期についても「まだ具体的には決まっていない」(東急)。今後、乗り換えルートがどのように変化していくかは工事の進捗次第だ。

東急百貨店東横店西館(正面)を取り巻くように整備が進むデッキ(記者撮影)

「広々している」「未来的」など、ネット上で好意的な声も多く見られる銀座線渋谷駅の新駅舎。残念ながら、現状での乗り換え通路の混雑がその評判を下げていることは否めない。利用者の1人は「あくまで仮の状態だろうとは思うけど、いつまでこの状態なのか」と、先の姿が見えないことへの不満を口にした。

各路線の駅やビルの工事が複雑に絡み合うだけに、ある関係者は「事業者間の調整などが必要で、なかなか予定を示せない部分もある」と話す。だが、利用者からすれば今後どのような段階を経て駅や通路が変わっていくのか、ある程度でも見込みを知りたいところ。銀座線駅移転に伴う年末年始の運休の際は早期の告知やきめ細かな案内などで混乱なく乗り切っただけに、工事についてもさらなる情報提供の充実が重要だ。

小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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