銀座線渋谷駅、「乗り換え大混雑」どう解消する? 新設の歩行者デッキは緩和につながるか
乗り換えルートが変わったことで、階段の通行量はどの程度増えたのだろうか。国土交通省の「第12回大都市交通センサス調査」(2015年)の報告書を基に集計すると、井の頭線渋谷駅の降車客のうち、約29%が銀座線への乗り換え客だ。
同駅の1日平均乗降人員は36万2481人(2018年度)。半分の約18万人を降車客数と考えると、この約29%にあたる5万2000人ほどが新たにこの階段に流れ込んでいると推測できる。朝ラッシュ時の利用者数を1日の約2割と仮定すれば、従来と比べてラッシュ時だけで1万人程度は通行者が増えた計算だ。以前からJR線利用者で混み合っていた階段だけに、混雑するのは当然といえる。
東京メトロも対策は打っている。1月第3週の平日初日から、朝ラッシュ時には階段に係員を配置してロープを張り、上り側の通行スペースを拡大。また、百貨店のエスカレーターやエレベーターを経由して改札階に上る迂回ルートの案内も始めた。
ラッシュ時は、係員がエレベーターホールの手前に立ち「銀座線ホーム方面のエスカレーター、エレベーターはこちらです」と呼びかける。「(駅の移転当初から)もともと乗り換えに使えた経路だが、百貨店の許可を得て迂回ルートとしてPRすることにした」(東京メトロ広報)という。
ある程度は楽になった?
これらの対策が功を奏しているのか、1月初旬と比べれば多少混雑は落ち着いてきたようだ。
前出の男性は「階段が『難所』だったが、エスカレーターへの誘導などでだいぶ分散されてきたように感じる。遠回り感はあるけど、エスカレーター経由は階段より流れがスムーズでいい」と語る。
また、1月29日にはJRの中央改札エリアに、新しく「中央東改札」が開設される。同改札は昨年11月に開業した複合施設ビル「渋谷スクランブルスクエア東棟」の3階に通じる。同フロアは銀座線の改札口にもつながっている。
JR東日本は「中央東改札ができることで、JR線と銀座線の乗り換えが段差なしで可能になる」(東京支社広報)とメリットを説明。東京メトロも「乗り換えのルートが増えるので、混雑の分散に効果があるだろうと捉えている」と期待を示す。
ただ、中央東改札は混雑が問題となっている階段とは反対側。井の頭線方面からの乗り換えルートの混雑緩和につながるかは未知数だ。
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