「希少資源」争奪戦! エコカーの命運を握るレアアース
いちばんの理由は「日本のこれからの産業に不可欠」(双日の化学品・機能素材部門事業推進課課長、橋本紀行氏)だからだ。レアアースを混ぜた磁石などは、家電や産業用機器の省電力化に大きな役割を果たしてきた。さらに近年のエコカー市場拡大がニーズに拍車をかけた。ハイブリッド車や電気自動車の心臓部である駆動用モーターには、ネオジムやディスプロシウムを使った強力かつ耐熱性の高い高性能磁石が欠かせないのだ。省エネ社会実現に向けて、その重要性はがぜん高まっている。
加えて、脆弱な調達態勢も背景にある。現在、レアアースは実質的に中国が唯一の生産国。かつて米国が最大の生産量を誇ったが、中国による安値輸出で他国は次々と生産中止を余儀なくされた。1990年代後半以降は中国が一手に世界供給を担い、日本も消費量のほぼ全量を中国からの輸入に依存している。
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