女優の執念で出来た映画「スキャンダル」の熱量 「FOXニュース会長のセクハラ告発」を実写化
時は2016年7月6日。全米最大のニュース放送局「FOXニュース」の会長兼CEOで、政界にも強い影響力を誇っていたメディア王ロジャー・エイルズを、ベテランキャスターのグレッチェン・カールソンがセクハラで告発した。それはたちまち全米を揺るがす大スキャンダルとなった――。
2017年後半以降、世界中で大きな現象となった「#MeToo」運動だが、この事件が起こったのは、それよりも1年前だ。
強大な権力者に対して、時には悩み、時には孤立しながらも、勇気ある戦いを繰り広げた女性たちのパワフルな物語を、シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーというハリウッドが誇る女優たちの共演で映画化したのが『スキャンダル』(2月21日全国公開)である。
シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマンらが出演
セロンのたっての希望により、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で、日本人としてはじめてアカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を獲得したカズ・ヒロ(辻一弘)も特殊メイクで参加している。本年度アカデミー賞では、主演女優賞、助演女優賞に加えて、メイクアップ&ヘアスタイリング賞もノミネートされている。
脚本を担当したのは、リーマン・ショックの裏側でいち早く経済崩壊を見抜いた男たちを描いた映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』で名をはせたチャールズ・ランドルフ。同作品で、アダム・マッケイと共同でアカデミー賞脚色賞を獲得した。
一説には、FOXニュースとの和解の際におよそ2000万ドル(約20億円)の示談金を受け取ったと言われているカールソンだが、FOXニュースと和解した際に秘密保持条項のため、現在はこの件について言及することができない状態となっている。
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