VW「T-Cross」はC-HRやヴェゼルに勝てるか 新顔コンパクトSUVに試乗して感じたこと

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T-Crossは今後、どう販売を伸ばしていくだろうか。すでに、1stと1st Plusで約600台の受注を得ているという。納車は、2020年の1月以降に予定されており、実車を見ずに購入を決めた人がそれだけいることになる。その意味では、VWに対する日本人の信頼の高さをうかがわせる。

2015年にアメリカで排ガス問題が起きたあと、一時的に販売台数が減ったのは事実だが、創業時の「タイプ1(通称:ビートル)」や、その後継となる「ゴルフ」に対する信頼には厚いものがある。それがVWというブランドを確固たるものとしている。

また、そもそもコンパクトSUVへの注目自体が高まっているのは、冒頭のボルボ XC40の例でも明らかだ。XC40は、2018年の発売以来2年間で7800台強を販売している。

「C‐HR」や「ヴェゼル」もライバル

VGJ(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)によれば、2009年から2018年までの間に、SUVの市場占有率は7%から21%に増えているという。街でよくSUVを見かける背景に、数字の裏付けもあるのだ。

そのうちコンパクトSUVに関しては、SUVのなかで36%(2018年)に達し、この比率はスモールSUVやミッドサイズSUVの比率を上回る。まさに、成長するSUV市場のなかで最も勢いのあるクラスにT-Crossは当てはまるのである。

2006年に発売された「クロスポロ」(写真:フォルクスワーゲン)

競合は、ジープ「レネゲード」、フィアット「500X」、プジョー「2008」など多彩であり、そこにXC40も加わるだろう。さらに国産車では、トヨタ「C‐HR」、ホンダ「ヴェゼル」などが挙げられている。いわば激戦区だ。

VWは、過去に「クロスポロ」という、「ポロ」をベースとしたSUV風の車種を2006年から販売し、国内で約8500台を販売している。本格的4輪駆動車やSUVではないが、活動的な雰囲気を味わいたい消費者が少なからずいることを明らかにした。

クロスポロはほかの自動車メーカーにも影響を及ぼし、スバル「XV」や、トヨタ「アクアCrossover」のような車種も誕生した。現行のポロにクロスポロはなく、T-CrossはXC40の好調さを見るまでもなく、コンパクトSUVとして注目の1台となるのではないか。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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