「マウントゴックス破綻、業界の体質強化に」 NY州金融局幹部、ビットコインの今後を語る
[ワシントン 3日 ロイター] - インターネット上の仮想通貨ビットコイン取引所を運営するマウントゴックスの経営破綻について、ニューヨーク州金融サービス局(DFS)のベンジャミン・ロースキー局長は3日、最終的には仮想通貨業界の体質強化につながるとの考えを示した。
ワシントンで開かれた会合の場で、ロイター通信の取材に答えた。
ロースキー局長はマウントゴックスの破綻に関し、「一歩後退した面がある一方で、業界の体質改善と規制当局の関与拡大をもたらす契機となる。業者が淘汰されていく動きの一つだ」と指摘した。
マウントゴックスは世界最大のビットコイン取引所だったが、2月28日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、ハッカーのシステム侵入によって5億ドル近くの仮想通貨が消失した。
ビットコインは2009年に取引が始まり、一部の小売業者がビットコインの支払いを受け付けている。こうした中で起きたマウントゴックスの破綻は、別の面で一つの理想が後退したことを意味する。その理想とはビットコインの提唱者らが好むもので、仮想通貨がネットワーク上の価値に信頼を置き、いかなる政府や中央銀行の関与も受けないという考え方だ。
ロースキー氏は健全なビットコイン取り扱い業者をニューヨーク州に集めたい意向だ。同氏はビットコイン業者を規制する州営業許可の「ビットライセンス」を導入する構想を提唱しており、既存の金融業と同等の規制を課したい考え。
このほか、DFSが対話を進めているビットコイン取引所の具体名として、バリー・シルバート氏が率いる米セカンドマーケット・ホールディングスを明らかにした。セカンドマーケットは未公開企業への投資仲介を手がけており、ニューヨーク証券取引所をモデルにしたビットコイン取引所の設立を検討している。
ロースキー氏は「複数の企業から申請を受けている。保留ということではなく、規制変更の作業と並行して審査中だ。今週後半になればお話しできるだろう」と述べ、新たなルールの策定やニューヨーク州におけるビットコイン事業許可制度の検討状況について、近く説明したいとの意向を明らかにした。
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