日朝戦争なら「北朝鮮側につく」韓国の国民感情 回答者の45.5%が北朝鮮を支援したいと回答
北朝鮮の独裁体制と目に余る人権抑圧は今なお国際社会の批判を浴びているが、金正恩は中国の習近平(シー・チンピン)国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とも会談を行い、今や東アジア外交のキープレイヤーを自任している。とはいえ、金が知恵を絞ってきたのは、南から支援を引き出すための策略だ。
政治的な亀裂が南北を切り裂いているとはいえ、もともとは文化と歴史を共にする同じ民族の国。しかも、かつての敵である日本に対する反感を共有している。
「韓国人にとって、北朝鮮は身内の厄介者のような存在で、憎み、軽蔑する一方で、北朝鮮がほかの国にやられたら守ってやらねばならない、という思いがある」と、リーは説明する。「同様に、北朝鮮は、韓国が独島(ドクド)の領有権をめぐって、日本ともめるたびに、韓国に肩入れしてきた」
日韓関係悪化で得をするのは?
独島は韓国が実効支配している島嶼群で、日本は竹島と呼び、国際社会では一般的にリアンクール岩礁と呼ばれている。この岩礁が浮かぶ海の名称も日韓の間でもめており、韓国は「東海」、日本は「日本海」の呼称を主張して譲らない。
この岩礁の領有権問題をはじめとして、日韓関係は今こじれにこじれている。とくに問題になっているのは、第2次大戦中の日本による韓国人の扱いだ。韓国は、戦争中にアジアの植民地から強制的に連行された労働者に対し、日本企業は賠償責任を果たすべきだと主張している。
一方の日本は、国民徴用令によって動員された労働者、いわゆる「徴用工」問題は、1965年に日韓基本条約と併せて締結された日韓請求権協定で解決済みとの立場をとっている。
日韓関係の悪化を狙いすましたように、ロシアと中国は今夏、日本海と東シナ海で初の共同飛行訓練を実施。このときロシア軍機がリアンクール岩礁上空を侵犯した疑いが持たれ、韓国、日本双方がスクランブル(緊急発進)をかけた。日韓は互いに相手国の対応を非難し、関係はさらに悪化。
すでに韓国に輸出規制を課していた日本は、さらに韓国を輸出優遇対象国から外し、これに怒った韓国は日韓秘密情報保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。