何だこれ?池袋に登場「謎の赤いバス」誕生秘話 デザインは「あの人」、運行は「あの会社」

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「今できることをしよう」――。LRTより、まずは現実的な方法として、10台の電気バスを導入して運行することが決まった。

ベース車両の候補として選定されたのは群馬県桐生市の新興企業・シンクトゥギャザー製のEVバス「eCOM-10」。シンクトゥギャザーという社名は耳慣れないが、2018年に環境省と国土交通省が実施する「グリーンスローモビリティ導入実証事業」において、日立、ヤマハなど大手系列メーカーの車両とともに、eCOM-10も購入費補助の対象に挙げられた。同社の宗村正弘社長は、「最近になって問い合わせが増えている」と話し、新潟市、松本市、宮崎市など20近い自治体で走行実績がある。

この車両の特徴は、5軸からなる10個のタイヤだ。タイヤが小さいため床が低く、乗降が容易となる。タイヤやモーターが小さい分、数を増やして駆動力を確保した。定員は16人で、1回の充電で約60km走れる。最高速度は時速19kmと低速だが、池袋の街を眺めながらのんびり周回するには十分なスピードだ。

デザインはあの水戸岡氏

そのeCOM-10のデザインに大きく手を加え、定員22人の「イケバス」という新たな車種に仕立てたのが、JR九州の豪華列車「ななつ星」などのデザインで知られる水戸岡鋭治氏である。街に人を呼び込む観光列車のようなバスが欲しいと考えていた区にとって、水戸岡氏に白羽の矢を立てたのはある意味必然。水戸岡氏も豊島区に隣接する板橋区に事務所を構えていることもあって、高野区長の取り組みに共感していた。

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