ぺイパルが描くモバイル決済の未来とは? ここまで進んでいるキャッシュレスな世界

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「顔パス」で決済できてしまう

スマートフォン(スマホ)でペイパルのアカウントにチェックインし、コーヒーショップに入ってカウンターでアイスカフェオレを注文する。「ペイパルで支払いをお願いします」と言うと、店員は「はい斎藤様、承りました」と答える。これで支払いは終了。オーダー時にスマホを取り出す必要はない――これは、ペイパルの顔パス支払い(チェックイン支払い)の一コマ。日本でも2013年11月18日から運用が始まったサービスだ。

店員が「はい斎藤様」という具合に、お客を名前で呼ぶことができたのは、ショップのデバイスにチェックイン支払いをしようとしたお客の顔写真が写し出されていたからだ。ペイパルは、ネット上の決済サービスを提供しており、ネットオークションで知られるイーベイ(eBay)の子会社である

ペイパルを使用した決済は、2013年 1~12月で約18兆円におよぶ。利用者は193の国と地域で1億4300万人におよび、26の通貨に対応(日本では22通貨)している。

日本では2012年9月にソフトバンクと合弁会社を設立。主に、ペイパル・ヒアの小売市場への浸透を図ってきた。ペイパル・ヒアは、スマホにクレジットカードのスワイプをできる小型カードリーダーを取り付けて行う決済サービスだ。

業界は競争が激しい

ただし、モバイルクレジットカード決済には、多くの会社が参入している。ペイパル・ヒアだけではなく、楽天スマートペイ、スクエア、コイニーなどが競い合っている状況だ。このうち、2013年5月に日本市場に参入したスクエアは、ジャック・ドーシーCEOがツイッター創業者ということもあり注目を集めた。

先行してサービスを開始していた他社より1%以上低い3.25%の決済手数料で一気に攻勢。他社も追随して手数料を引き下げざるをえなかった。現在、ペイパル・ヒア、楽天スマートペイ、コイニーは3.24%である。

数多いサービスの中で、ペイパルの特徴は、カードをスワイプしなくても顔パスで決済をできる点にある。

顔パス支払いは、支払う側がペイパルアカウントを登録していれば、ペイパル・ヒアの導入店舗で、現金やクレジットカードなしでも支払ができるというシステム。カードの不正使用というのは大部分が売り手の側からの情報漏れが多いことから、クレジットカードをやり取りしない顔パス支払いはユーザーにとっても安心な仕組みになっている。

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