「セクシー発言」小泉進次郎は中身がないのか 脱火力で立ち往生、汚染水処理で批判相次ぐ

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初入閣した小泉氏にとって、「メディアを沸かし続けてきた過去の発言もブーメランとなる可能性がある」(自民長老)。

安倍政権にとって最大の不祥事となった森友学園問題について、当時、自民党筆頭副幹事長だった小泉氏は「平成政治史に残る大事件」とコメントし、首相の説明責任についても厳しく言及している。この発言について、次期臨時国会の予算委員会などで閣僚しての見解を求められた場合、「まともに答えようとしたら立ち往生しかねない」(自民幹部)のが実情だ。

就任前から話題になった育休問題についても、「検討していますと言っただけで、賛否両論を含めて騒ぎになるということが、日本って堅いね。古いね」とかわした。

ただ、その際に掲げた「3原則」(①公務最優先②万全な危機管理③妻の不安払しょく)は、育休取得で注目された鈴木英敬・三重県知事の受け売りだったことが、すぐ後の同知事のインタビューで判明している。隣席の女性の発言を素早く取り込んだ「セクシー発言」とも一脈通じる対応で、「会話の運動神経が抜群なため、じっと考えて自らの意見を言うより、当意即妙にこだわってきた結果だ」(自民長老)との厳しい指摘もある。

ネット上では「意味不明」「浮かれすぎ」批判も

就任以来の小泉氏の言動についても、ネット上では「中身が伴わず意味不明」「浮かれすぎ」などといった批判的書き込みが目立つ。永田町でも「サーファーみたいな波乗りは得意だが、船長として落ち着いて船を進めるタイプではない」との見方が広がる。

環境相に就任した際、小泉氏は「結果が問われる。これがすべてだからとにかく働きます」と虚空をにらんだ。「入閣の決め手は」との質問には「理屈じゃない」と、約1カ月前に官邸で結婚発表したときとまったく同じ言葉で答え、永田町では「『理屈じゃない』は今年の流行語大賞の有力候補」とささやかれている。

政界は「嫉妬の海」というのが永田町の常識だ。今回の小泉氏入閣について、自民党のベテラン議員は「お手並み拝見で、失敗すればひそかに手をたたく議員がたくさんいるはず」と苦笑する。その一方で野党側は「ポスト安倍で小泉政権でもできたら、野党は壊滅的になる。だから、国会での集中攻撃でつぶさなければ」と手ぐすねをひいている。

「政界の寵児」から嫉妬の対象へと環境が激変した小泉氏。「本物の首相候補になるにはニュー進次郎誕生が大前提」(自民長老)と指摘されるように、9月27日の帰国後は小泉氏にとって厳しい局面が続くことになりそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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