台風上陸、新幹線「最終列車」混乱の一部始終 新大阪19時台のはずが3時間前倒しに…
案の定、15時20分発の「のぞみ」は、デッキまで人があふれており、乗るのがやっとな状態。私と同じように岡山から乗り込んだ人たちの中には「よかったね、これで帰れるね!」と安堵している人も見られた。だが、次の新神戸でも乗客は増え、もはや身動きすら取れない状態になった。これは新大阪で乗り換えるしかないと決意した。
このとき、JR東海のウェブサイトには16時40分に新大阪を出る普通車全席自由席の臨時「のぞみ」が今日の東京行き最終列車になるとあったので、最悪でもそれに乗ることができればと考えた。
■16:10 新大阪で満員「のぞみ」を下車
新大阪に到着したのは、定刻より少し遅れた16時10分。同じような考えの人がそれなりにいるだろうと思ったが、下車する人よりも乗車する人のほうが多かった。
実は、ここまで乗ってきた列車の車内では、「新大阪始発の列車がある」とか、「16時40分に普通車全席自由席の臨時便がある」といったアナウンスは一切なかった。岡山駅での「東京方面に向かう最終」というアナウンスや乗り換え案内アプリなどだけに頼っていると、実はこの列車より後にも新大阪からの東京行き「のぞみ」があるという事実に気づかなかったかもしれない。
JR東海のウェブサイトには最終列車の時刻などはあったものの、あとはほとんどが号数の表示で、不慣れな人にはわかりにくいだろうと思った。
臨時の最終「のぞみ」は待機列なし
新大阪始発の定期列車の「のぞみ」に乗れないかな……と期待したものの、発車数分前にしてすでにデッキまで人があふれている様子だったので、最終手段として考えていた16時40分新大阪始発の臨時「のぞみ」に乗ることにして、乗車口に向かった。
■16:20 臨時列車を待つ人はわずか?
「もしかしたら同じ考えの人がすでにたくさん並んでいるかも……」と小走り気味に向かったものの、臨時列車が発車するホームには待機列らしい列はなかった。念のためにホームの発車案内を確認したが、乗り場は間違っていなかった。ひとまず4号車の前で列車を待つ。
ふと後ろを振り返ると、エクスプレス予約で発券した指定券を持つ女性2人組が困った様子だった。そこで、手元の指定券で本来乗るはずだった列車は運休になり、同じダイヤで臨時列車が走ること、普通車がすべて自由席になることなどを説明した。
説明は伝言ゲームのように少しだけ拡散して、当初5人くらいしか並んでいなかった待機列は10人ほどに増えた。
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