「レンジローバーイヴォーク」は何が進化した? 初の全面刷新で乗り心地や注目装備は…

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一方、ガソリンの2.0リッター直4ターボには、300ps、400Nmの「P300」と、249ps、365Nmの「P250」という2種類の設定がある。

ガソリンは「P250」でも性能的には不満はないが、出足でしゃくれあがるように加速して車速をコントロールしにくいのが少々気になる。ハイブリッドもその傾向はなくはないが、エンジンのツキがよろしくない低回転域をモーターが適宜アシストして補ってくれるので、こちらのほうがずっと乗りやすい。ガソリンはもう少し加減速がリニアにレスポンスしてくれるようになることを望みたい。

乗り味が軽快になった

フットワークについて、他社の多くのSUVが軒並み軽快なドライブフィールになってきた中で、イヴォークはレンジローバーの一員らしく初代では重厚感のある乗り味とされていたのが印象的だったものだが、2代目ではかなり走りが軽やかになっている。おそらく吹っ切れて今の時代はこれでよいのだと判断したのだろう。

ただし、乗り心地は硬めで、荒れた路面ではやや跳ね気味となる。初代も出た当初は粗さが見受けられたところ、時間の経過とともに洗練されたことを思うと、2代目も少し時間が必要なのかもしれない。

新型イヴォークの後ろ姿(筆者撮影)

そうしたいくつか気になる点もあるものの、とにかく内外装デザインは本当に素晴らしい。初代と同じく、このルックスに魅せられる人は少なくないはずだ。

むろんSUVとしての機能も十分に備えているほか、最新モデルらしく先進的な装備も満載しており、ランドローバーの一員として相応しく走破能力も引き上げられて渡河水深も100mm向上して600mmになった。また、全幅こそ1.9mを超えるものの、4.4mを切る全長に魅力を感じる人もいるだろう。

このカテゴリーには有力なライバルがひしめているが、2代目イヴォークも初代と同じかそれ以上の人気を獲得するのは確実だろう。

岡本 幸一郎 モータージャーナリスト

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おかもと こういちろう / Koichiro Okamoto

1968年、富山県生まれ。大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の編集記者を経て、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。軽自動車から高級輸入車まで、国内外のカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでも25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに有益な情報を発信することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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