楽天、ハーバード卒28歳役員が語るEC戦略 小売り・eコマースの未来像(2)

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小澤:3つあります。これはもう、ヤフーならずとも、これだけ商品数がインターネット上に増えてきますと、必ず商品数の多いところに対しては、ハブとかファンシーとか、日本ではオリガミさんとか、アンチテーゼとして、キュレーション系が出て参ります。これは、いわゆるセレクトショップ。百貨店がある意味、セレクトショッップに近いと思うんですけけれど、いわゆる、たくさん何でもありますよ、っていうところに対して「私が目利きをしているから、ここだけ見ていれば大丈夫です」というセレクトショップ系。これはもうキュレーション系。

残り2つは、検索とレコメンデーションで、これはテクノロジーで解決できます。こちらのほうは、ヤフーは検索の会社ですので、ま、Googleのエンジン使っていますけれども、頑張ろうと(笑)。

検索結果はパーソナライズ化されていきます。小野さんが過去、Yahoo!ショッピングで何を買ったか。もしくはヤフーで何を検索されたか。ひょっとしたら、タグが埋め込まれたサイトで、何をどのページを見たか。それを、ヤフーのショッピング内の検索結果に生かします。

なので、小野さんが「明太子」を検索されたときと、北川さんが「明太子」をYahoo!ショッピング内で検索されたときで、検索されるものが変わってまいります。アマゾンさんでも楽天さんでもできるんですけれども、ヤフーの場合メディアをやっており、情報収集できる先がものすごく多いので、おそらく検索の精度が変わってくると思います。ここはヤフーがショッピングをやる意味、検索結果の精度が高くなる、という意味があると思っています。最後、レコメンデーションはアマゾンさんで語られ尽くしていますので、私どももそこを頑張りますと。こういう3つで攻めていきたいと思っております。

「パーソナライズ」が最終形

小野:北川さんのほうは? 楽天さんのほうは?

北川:はい。キュレーションが非常に面白いなあと僕らも思ってます。というのも、店舗さんというコンセプトそのものが、もともと「商品を自分たちで仕入れて、自分たちでキュレートする方々」っていうとらえ方を、僕らもしていますので。店舗さんを見つければ、1億商品から、4万店舗に減ったわけですね。では、その店舗さんを見せるために、どういうことをしたらいいのか、を日々考えています。

僕の先ほどの話とつながるんですけれども、僕の考えでは、物というのを一つひとつ知らない僕らが、いくら頑張ってお客さんに見せようとしても、なかなか思いが伝わらないんじゃないか。1億商品あったら、1億人いないとそういうのは1個1個できないじゃないか、みたいなことになりかないので、それをテクノロジーでなんとかするという考え方です。

できれば、店舗さんが、自分でどんなにこれがいいと思っている、誰にいいと思っているのか、というのを考え出していただいて、こちらはそういうことを見せられるような、テクノロジーを提供することによって、店舗さんが自分でプッシュするようなイメージを持っています。

最終的な形としては、小澤さんがおっしゃっていたような「パーソナライズ」が最終的な形態になると思うのです。というのも枠が決まっていたら1個しか出せないので、それがアサインされた瞬間に何個でも出すような話になりますからね。では誰がそれをマッチングするんだ、ということになりますが、できればテクノロジーの力でやりたいと僕らは考えますが、店舗さんが思いを持ってやっていただけたら、いちばん面白いんじゃないかなと、僕は思っています。

※ 続きはこちら:ヤフーのEC革命、お手本は中国のタオバオ

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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