米株大幅安、貿易戦争から景気後退への懸念

S&Pとナスダックが200日線割れ、一段安も

5月31日、米国株式市場は大幅安。トランプ米大統領による対メキシコ関税導入表明を受け、貿易戦争がリセッションにつながるとの懸念が高まった。写真は2013年ニューヨーク証券取引所前で撮影(2019年 ロイター/Carlo Allegri)

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米国株式市場は大幅安で取引を終えた。トランプ米大統領による対メキシコ関税導入表明を受け、貿易戦争がリセッション(景気後退)につながるとの懸念が高まった。

トランプ米大統領は30日、メキシコ国境からの不法移民流入に同国が十分に対応していないとし、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げると表明。メキシコのロペスオブラドール大統領はトランプ氏に撤回を求めた。

ベアリングス・インベストメント・インスティテュートのクリストファー・スマート氏は「国家安全保障上の問題に関税を適用している。これは別の話であり、問題だ」と述べた。

S&P500とナスダックは共に3月8日以来となる200日移動平均線割れ。テクニカル上の強固な支持線を下回り、一段安の可能性が示された。

週間ではダウが3.01%安、S&P500が2.62%安、ナスダックが2.41%安。ダウは6週連続安となり、2011年以降で最長となった。

月間ではダウが6.69%安、S&P500が6.58%安、ナスダックが7.93%安。いずれも月間では年初来で初の下げ。S&Pの5月の下落率は2010年以降で最大となった。

米中貿易摩擦を巡る懸念を背景に投資資金は国債に逃避。米指標10年債利回りは一時2.128%に低下し、17年9月以降で最低となった。

S&P主要11セクターのうち、ディフェンシブ業種である公益株と不動産株のみ上昇。一方、8業種は1%を超える下落となった。

米自動車株などが下げをけん引。ゼネラル・モーターズは4.25%安、フォードは2.26%安となった。一般消費財は1.44%安。

中国商務省が31日、中国企業の利益を損ねる「信頼できない」外国企業や団体、個人のリストを作成する方針を示した[nL4N23732F]ことも重しとなり、関税の影響を受けやすい工業株は1.46%となった。

米商務省が31日発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%上昇と、2018年1月以来15カ月ぶりの大幅な伸びとなったが、4月は物価が加速する中でも個人消費が鈍化し、今後の物価の伸びが限定的になることを示唆された。[nL4N2373MB]

個別銘柄では米アパレル小売大手ギャップが9.32%安。第1・四半期(5月4日まで)決算は、既存店売上高が予想以上に減少した。[nL4N2364LZ]

メキシコで醸造所事業を展開している米アルコール飲料大手コンステレーション・ブランズは5.79%安。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.52対1の比率で上回った。ナスダックでも3.20対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約77億5000万株。直近20営業日の平均は70億1000万株。

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