高嶋政伸「平成に大胆な変貌とげた」異色の経歴 「離婚スキャンダル」乗り越えて開いた新境地
また、芸能人の素顔をさらすイニシャルトークが人気を博したバラエティ番組「MOGITATE!バナナ大使」(1989~1995年、TBS)にもレギュラーMCとして出演。当時人気絶頂の山田邦子に可愛がられ、認知度はかなり上がった。「高島さんちの次男」というよりも、「国民的弟キャラ」を築き上げたのが、平成初期の政伸である。
さて、中期になっても善人キャラは変わらず。「ダブル・キッチン」(1993年、TBS)では、仕事に矜持をもつ妻(山口智子)と、強烈な保守派の母親(野際陽子)の板挟みになる、優しくて気の弱い夫を演じた。野際が演じる姑が強烈すぎて、全国の嫁から嘆きと恨み節を一身に浴びた頃でもある。
政伸は、東宝芸能仕込みで王道の主役を演じることが多く、イマイチ面白みにかける時期を過ごす。「こちら本池上署」(2002~2005年・TBS)もシリーズ化したものの、年輩層の支持を得たという印象に終わる。いい意味では有名俳優として定着、悪い意味では既視感&定番化した時代だ。
正直、政伸は邪悪な顔立ちなのに善人キャラが多いなぁと思っていた頃だ。ちょうど、父・忠夫がうつ病と闘って手記を出版したり、ドラマ化された時期でもあり、ナイーブな時期だったのかもしれない。
ただ、「TRICK」(2003年、テレビ朝日)で見せた、実にうさんくさい祈祷師もどきの男役が心を打った。あの風貌、あの眼力、あの声音、いつまでも善人キャラに閉じ込めておいてはもったいないと思うほどの適役だった記憶がある。
泥沼離婚を経て、ブランニュー政伸
プライベートでは、2008年にモデルの美元と電撃結婚。美元の頬にキスをする政伸のラブラブな写真も公開された。順風満帆かと思いきや、3年後の2011年に泥沼離婚が報じられた。
そのときの夫婦の会話の録音にはすさまじいものがあった。離婚の真相なんぞわからないし、正直どうでもいいのだが、ドラマさながらの政伸の罵声には驚愕した。一度は愛した相手に、死ねだのブスだのコノヤロウだのと浴びせるさまに戦慄を覚えた。
ただ、スキャンダルとしては格好のネタであり、ワイドショーはこぞってこの騒動を取り上げた。ゴミ出しに文句をつける政伸の神経質な性格なども茶の間で話題になった。政伸も、「25年の芸能生活をなげうってでも離婚したい」と訴訟を起こし、翌年には離婚が成立。
高島さんちの次男から、国民的弟キャラ、そしてDV疑惑の渦中の人となり、今後は露出を控えるのかなと思っていたのだが、違った。ブランニュー政伸の誕生である。
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