JALがハワイの「マイナー路線」開拓を急ぐわけ ANA「エアバス」ショックで決死の巻き返し策

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JALの調査によると、今の日本人がハワイ旅行に求めるものの1位は、ホノルルでビーチと買い物を楽しむことではなく、ゆっくり過ごしたいニーズが大きくなっているという。JALとしては、ハワイ島でしかできない楽しみ方を創り出し、定着させていく考えだ。

JALと2017年に提携したハワイアン航空。ハワイ州最大の航空会社でハワイ諸島間のフライトが充実している(写真:ハワイアン航空)

日本とハワイ島コナ空港を結ぶ路線の座席利用率は、年間通して90%程度のホノルル線を大きく下回る。昨年5月にハワイ島のキラウエア火山が噴火したこともマイナスとなった。前出の国際路線事業部長・内藤氏も「(高需要の)ホノルル線よりも、コナ線の需要をしっかり盛り上げていくことを優先する」と意気込む。

西武、ヒルトン系と相次ぎ提携

カギはハワイ島が注目されるようなアクティビティーをJALが用意できるかだ。今年2月にはハワイ島にリゾートホテルを構える西武ホールディングスと、3月にはコンドミニアムを多く抱えるヒルトン系の業者と、商品開発で相次ぎ提携した。

それらの提携を生かしたハワイ旅行コンセプトを前述したような形で3月に発表したが、定まっているサービスはわずかで、中身が煮詰まっていないものがまだ多い。ハワイ戦略担当の阿部氏は「これから深めていく。世界中からアイデアを集めている」と今後の深化に自信を見せる。

新天地・ハワイ島でANA追い落としを図るJAL。ハワイ路線盟主の座を死守するために、かつての開拓者としての手腕が再び試されている。

森田 宗一郎 東洋経済 記者

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もりた そういちろう / Soichiro Morita

2018年4月、東洋経済新報社入社。ITや広告・マーケティング、アニメ・出版業界を担当。過去の担当特集は「サイバーエージェント ポスト藤田時代の茨道」「マイクロソフト AI革命の深層」「CCC 平成のエンタメ王が陥った窮地」「アニメ 熱狂のカラクリ」「氾濫するPR」など。

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