迷走「ゾゾ」の打開策にそれでも不安が募る理由

昨年開始の会員サービスは半年足らずで終了

また、これまで順調に伸びてきたゾゾタウンへの出店ショップ数は、サービスに反発した複数のブランドの離脱の影響で、3月末には1245店(18年12月末から10店減)に減少。早期のサービス終了でブランドとの共存を重視する姿勢を見せ、出店各社からの信頼回復を図ることが急務と判断したようだ。前澤社長は「サービス終了はブランド様からも非常に前向きに受け取っていただいている」と話し、今後「ゾゾ離れ」は収束していくとの見通しを示した。

PBの赤字が足を引っ張る結果に

ARIGATOサービスを終了するゾゾタウン事業と同様、大きな方向転換を打ち出したのが前期に本格始動したPB(プライベートブランド)事業だ。4月25日に発表したZOZOの前2019年3月期決算は売上高1184億円(前期比20.3%増)、営業利益256億円(同21.5%減)と、増収ながら上場以来初の減益に。ARIGATOサービス開始に伴う粗利益率の悪化以上に、PBの赤字が足を大きく引っ張る結果となった。

PBは無料配布している自動採寸スーツ「ゾゾスーツ」での計測データを基に、オーダーメードに近い形で顧客一人ひとりにぴったりのサイズの商品を届けることがウリ。ジーパンやビジネススーツなど品ぞろえは順調に拡充してきたが、生産面では発送遅延などのトラブルが続出した。

さらに計測の煩わしさや予約から配送まで時間を要したことから、ゾゾスーツが届いてもPBを注文する人の数が少なく、前期のPB事業売上高は27.6億円と期初計画の200億円を大きく下回った。

昨年4月に発表した中期経営計画では2021年3月期にPB事業を2000億円に伸ばして第2の収益柱とする超強気の目標を掲げたが、この計画も1年であえなく撤回。ゾゾスーツの配布を大幅に減らし、中期的な拡大をもくろんでいたPBの海外事業からも撤退する。

今期の事業売上高の計画は17億円(前期比38.5%減)。PBは事実上、「事業縮小する」と見てよいだろう。「(新規投入は)極めてベーシックなアイテムにとどめて、在庫のあるアイテムの消化に尽力する。派手な展開は予定せず、細々と継続していきたい」(前澤社長)。

一方で、ゾゾは新規事業を打ち出した。PBの不振について前澤社長は「新しいことを盛り込み過ぎた」と反省する一方、「(PBで打ち出したS・M・Lよりもさらに細かなピッチでサイズを用意する)『マルチサイズ』に大きな需要があることは明らか」と、大きな方向性は間違っていないことを強調。そこで、今秋から「マルチサイズプラットフォーム(MSP)事業」を始めると発表した。

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