福岡で異色ママの「交流バー」が盛り上がるワケ

先生・副市長・会社員・主婦の「バー○○」人気

「バー洋子」の会場は農業用倉庫だったところの1階。大通りから遠く離れた住宅街で月に1度、あたたかい交流が生まれている(筆者撮影)

「バー洋子」「バーさくら」「バー裕子」「バーなな」「バー美幸」……。

最近、福岡県の各地でユニークなバーが次々とオープンしている。といっても、店を構えて毎日営業しているわけではない。バーを主催する“ママ”の正体は、大学の准教授や副市長、会社員、団体職員、主婦など。バーを開く目的や場の雰囲気、開催ペースは、実にさまざまだ。

なぜ今、福岡でバーが広まっているのか。そこには福岡の女性ならではの気質があった。

「バー〇〇」の本家は、福岡県宗像市の「バー洋子」。2016年から月1回、農業用倉庫の1階でバーを開いている。ママの中村洋子さんは宗像市在住、大学の准教授で2児の母だ。きっかけは、デザイナーの谷口竜平さんと仕事の打ち合わせをしたときのこと。谷口さんは祖父母から受け継いだ農業用倉庫の2階をシェアオフィスにする予定があり、たまたまそこで打ち合わせをした。

広々とした1階を見た洋子さんが「ここは何に使うの?」と聞くと、谷口さんは「この地域の若手農家が気軽に飲みに来れる場所を作りたい」と淡い思いを口にした。自分は都心に出たが、近隣で頑張る農家を応援したいという。

「1回やってみたら? いつにする?」と洋子さんがひと押し。「せっかくなら、宗像市内で飲食業をしている人たちと引き合わせたら面白いかも」と話が進み、2016年11月、気軽な飲み会を開いた。

1度だけのつもりが、ノリで「バー洋子」に発展

「やってみると会の雰囲気がとてもよくて、これは定期的にやりたいね、名前を付けようと盛り上がりました。誰かがノリで出した“バー洋子”に決まり、谷口さんも勢いでササっとスタンプカードを作って。こんなに続くとは思わなかったけど」と洋子さんは愉快そうに振り返る。

「バー洋子」には親子連れで参加する近所の人もちらほら。子どもが2階で宿題をすることもある。和やかな雰囲気だ。写真の右から3番目が洋子さん、いちばん左が谷口さん(筆者撮影)

それから“洋子ママ”と“谷口オーナー”で「面白がりながら」続けてきた。毎月第3水曜日の19時頃からゆるりと始めて、22時頃お開きに。

水曜日にしたのは飲食店の休みが多いためで、朝が早い農家に合わせて早めの終了とした。

バーを続けるにあたって、洋子さんと谷口さんで決めたルールが2つある。

自分の食べ物や飲み物を各自持ってくる(家にあるものや買ったものでOK、生ものNG)、後片付けはみんなでする。参加費は無料だ。2人は特にお酌をするわけではなく、一緒に楽しみながら、さりげなくみんなに気を配っている。

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