東京五輪後に「全国住み放題」が広がる理由 空家活用の新モデル、仕掛け人が描く青写真

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――賃貸業だとしても、実質的には「住む」というより「泊まる」に近い人も多そうです。その場合、従来の旅館との関係をどう考えますか。

群馬県吾妻郡の拠点。空き家の活用を広げていく予定だ(写真:アドレス)

私たちは宿泊施設というより、シェアハウスに近いという考えだ。共有のリビング、キッチンがあって、そこの1室だけを借りる。だから私たちと旅館とは競合しないし、むしろ協業関係にあると考えている。

旅館やホテル、ゲストハウスには閑散期があり、稼働率は100%ではない。今後、その閑散期の部屋を、私たちが借りて使えるようにもしていきたい。そうした呼びかけもしていく。

将来は個人会員を増やしたい

今後、全国を行き来する人が増えれば、既存の居住でも宿泊でもない、新しい市場ができるはず。その人たちは、われわれのコリビングを使うこともあれば、ホテルを利用することもあるだろう。

アドレスの会員は個人と法人がおおよそ半々の割合になりそうだが、将来的には個人7、法人3くらいの割合にしたい。それは個人の行動を変えるきっかけをつくりたいからだ。

すでに1つの地域に住み、1つの会社で働くというスタイルが古びつつあるのに、多くの個人が、それが常識という価値観から抜け切れていない。個人がもっと主導権をもって、仕事や働く場所を決められるようになればいい。そういう環境づくりに、全国住み放題サービスが役立てばいいと考えている。

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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