不審物発見できる?駅で「ボディチェック」実験 体に触れずにスキャン、刃物や爆発物を検知
装置を使って警備をする側にも課題がある。綜合警備保障も新しい装置などを使った警備手法を考えてきた。今回の実験については次のように説明する。
「イベント警備では、どんな来場者がどんなものを持っているか経験を積めば予測できるようになる。鉄道利用者は不特定多数の上に、さまざまな物を持って列車に乗り込む。流れを止めることもできない中で、どこまでできるか」
空港の保安検査では、ボディチェックと手荷物検査は分離されている。不審物も金属などに限定され、不審物が見つかった場合には立ち入り制限や所持を放棄させることもできる。鉄道警備で装置を導入するとなれば、こうした合意を利用者と作らなければならない。実証実験を知った利用者は、こうも言う。
「駅構内での暴力トラブルや痴漢、痴漢の冤罪など利用者目線で足りないと思うことが鉄道にはいろいろある。気軽な鉄道であってほしい」――。
装置ありきではない
危機管理室の担当者は、「東京オリンピック・パラリンピック後の中長期的なセキュリティ向上を視野に入れた中での、さまざまな手法のひとつ。装置導入ありきではない。この装置だけでなく、いろいろな手法を検討する」と説明する。
今回のボディスキャナーを用いた実証実験は、将来の鉄道におけるセキュリティチェックを想定したものではないと、国交省側は強調する。しかし、近年頻発する鉄道トラブル事例を考えれば、鉄道の安全対策として、何らかの方法を講じる必要はあるだろう。新幹線では警備員を同乗させるなどの保安対策を取っている。では、トラブルを水際で食い止めることはできるか。利用者は何を最優先にすべきか。今回の実証実験はそれを考える上での第一歩となる。
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