アジアカップ開幕!注目集まる若手3人の存在 森保監督率いる日本代表の試金石となる大会

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攻撃陣では彼ら2人に託される部分が大きいが、守備陣にも注目すべき若手がいる。それは20歳の冨安健洋(ベルギー・シントトロイデン)。

188㎝の長身と冷静な判断力と戦術眼、海外経験を誇るプレーヤーだ。今大会は本職のセンターバックのみならず、ボランチにも入る可能性が高まっている。1月5日の地元クラブ、アル・ワハダとの練習試合でも柴崎岳(スペイン・ヘタフェ)とコンビを組んだ模様。

守田英正(J1・川崎)が右もも裏を負傷し離脱を強いられ、遠藤航(ベルギー・シントトロイデン)も発熱で出遅れていることを考えると、指揮官が冨安に託すものは少なくないはずだ。

再び8年前に思いを馳せると、22歳だった吉田麻也が守備陣の軸に据えられ、そこから最終ラインの大黒柱へと成長していった。この大会がA代表公式戦デビューとなる冨安は当時の吉田と重なる。

「一緒に活動させてもらう中で学ぶことが多いですし、先輩のいいところを盗みながら自分のものにしていきたい。アジアカップでどれだけ自分の力を証明できるかは僕にとっても大事なポイントになってくると思います」と本人も10歳年上のキャプテンに追いつこうと躍起になっている。

若い世代から高さのあるDFは、育つことが日本サッカー界の悲願でもある。それを彼が果たしてくれば、今後に向けても朗報と言っていいだろう。

若い世代を中心に勝ち上がることができるか

彼ら若い世代が活力を与える日本にとって最初のタスクとなるのは、1次リーグを確実に勝ち上がること。1月5日の開幕戦でホスト国・UAEがバーレーンに何とか引き分け、1月6日にも前回王者のオーストラリアがヨルダン、Jリーガー数人を要するタイもインドに黒星を喫するなど1次リーグから波乱の幕開けとなっている。

それだけに日本は確実に初戦でトルクメニスタンを下して、好スタートを切る必要がある。

2位通過の場合、いきなりラウンド16でオーストラリアとの直接対決になる可能性も高まってきたことから、1次リーグは何とか1位通過しておきたいところ。

2015年オーストラリア大会でも準々決勝で足元をすくわれているだけに、ラウンド16、準々決勝あたりが1つの関門になるのは確か。その先に韓国やイランといった強豪が待っているはずだ。

こうした強敵を打ち破って頂点奪回を果たすためにも、若い力の活躍が必要不可欠だ。彼らが本田や長谷部誠(ドイツ・フランクフルト)らロシア組を超える日を楽しみに待ちたい。

(文中敬称略)

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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