アジアカップ開幕!注目集まる若手3人の存在 森保監督率いる日本代表の試金石となる大会
このキャラクターは「日本をワールドカップで優勝させる」と言い切ったビッグマウスの本田を彷彿させる。同じ関西、ガンバ大阪の下部組織出身でレフティ、オランダで欧州第一歩を踏み出した共通点を踏まえても、偉大な男の後継者に相応しい。
仮に今回のアジアカップでMVPを獲得できれば、当時24歳だった本田を大きく上回る。この1月、あるいは夏の欧州移籍市場でビッグクラブ移籍の道も開けてくるだろう。恐れを知らない若者は虎視眈々とそのシナリオを狙っているはずだ。
そして南野は今大会得点王に最も近い選手の1人と目される。ここまでの森保ジャパンの4ゴールを振り返っても、左右両足のシュートに相手との駆け引きから反転ゴールなど実に多彩なパターンを備えている。「拓実はシュートがうまい点取屋」と彼を育成年代で教えた指導者がみな口をそろえる頭抜けた得点センスは、森保ジャパンの大きな武器になるはずだ。
南野にぶつけてほしい積年の思い
イケメンFWとしても注目される彼にも挫折はあった。
2014年ブラジルワールドカップ直前の4月、19歳でザック監督の目に留まり、最終候補メンバーまで残ったが、ブラジル行きは叶わなかった。4年後のロシアは主力になると見られたが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督には2015年に2度招集されただけで定着は叶わず、ロシアにも行けなかった。
代表から声がかからず悶々としていた頃、本人は「何でおれを呼ばへんのや」と悔しさを吐露したこともあった。根っからの負けず嫌いの男はこうした積年の思いを今大会にぶつけるはずだ。
「このアジアカップで自分のサッカー人生が大きく変わる」と南野も語気を強めたが、今回は森保ジャパンのトップ下定着、絶対的得点源への飛躍が強く求められる。それで優勝という結果を手にできれば、欧州5大リーグへのステップアップも叶う可能性が少なくない。
「早い段階でビッグクラブへ行きたい」と話していた彼にとって、5シーズンもオーストリアに足止めにされていたことは想定外以外の何物でもなかったはず。2011年大会優勝を機に、清水エスパルスからドイツのシュツットガルト、マインツ、イングランドのレスターへと上昇気流を描いた岡崎、あるいはイタリア・チェゼーナからインテル行きを果たした長友佑都(トルコ・ガラタサライ)のように、南野には成功をつかんでほしい。
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