残念な文書で「人間関係を破壊する人」の盲点 「書き言葉」は「話し言葉」の3倍強く伝わる

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とはいえビジネスシーンのメールでは、そうそう絵文字や「(笑)」などを多用できません。そのため文章の工夫で、印象面での誤解を避ける、印象を和らげる技術は、ビジネスパーソンにとって大切なスキルといえます。たとえばお願いのメールでも、文章表現の違いで印象はだいぶ変ります。

<文例A: 特に気を遣わないメール>
お世話になっております。
請求書は15日までに送ってください。
よろしくお願いいたします。

支払う側(お客)、支払われる側(業者)という関係ですから、あまりメールに気を使わなくてよいともいえますが、それでもお客だからと上から目線でメールを書いていると思われるのはよい効果をもたらしません。上記のメールだと、ほんのすこし言葉を加えるだけで印象はずいぶん変わります。

<文例B: すこし気を遣ったメール>
お世話になっております。
弊社の締めの都合上、請求書は15日までに送っていただけると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。

「〇〇してください」というのは、言葉は丁寧ですが、結局「やれ」という指示命令です。一方、「〇〇していただけると助かります」というのは、やってほしいことは同じですが、やってくれる人に対する尊重の意が感じられますし、やってくれることへの感謝の意も伝わります。

「してください」を「していただけると助かります」、あるいは「していただけると幸いです」に置き換えるのは大した手間ではありません。それで相手によい印象を与えることができるのであれば、そのほうが得だと思います。

「ネガティブなワード」はNG

何かを断るとき会話の最中であれば、「う~ん」と唸っているうちに相手が事情を忖度して、それで一件落着。あるいは「難しいかなあ……」と答えをあいまいにしていても「空気」で伝わりますが、メールでは言葉で白黒つけないといけない場合があります。

たとえば取り引き先から見本市の招待を受けたとき、スケジュールが合わず出席できない返事をするとします。

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