「ジムニー」プラモデルの味わい深すぎる歴史 1970年初代登場とほぼ同時に発売されていた
ところで、模型業界はこの頃からキット化にあたり、実車を製造販売しているメーカーから資料を提供してもらい、より精密なキットを開発するようになりつつあった。日本最初の「ジムニー」のキットも、スズキ自動車に協力をあおぎ、開発されたキットだ。驚くべきことにニチモのジムニーは実車の発売とほぼ同時期(1970年4月)に発売されている。こうした商品展開の速さはメーカーの協力があってこそだ。
キットは同社「レジャーカー・シリーズ」のひとつとして発売された。このレジャーカー・シリーズはマニアックな車種の選択で、カーモデルファンの記憶に残る名シリーズだ。「ジムニー」のほかに、「ワーゲンバギー」、「パンチワーゲン」、「ロータス・スーパーセブン」といった車種が発売され、シリーズ後期には「バモス ホンダ」までもがキット化されている。
幅広い世代に支持されるスマッシュヒットに
シリーズでキット化される車種はオープンカーのみ。スケールは1/20、FA130モーター、単三電池(共に別売)2本で走行するのが共通仕様だった。特筆すべきはモーターの配線が不要で、組み立てに手間いらずだったこと。また、スケールモデルとしても遜色がない出来であった。そのため、幅広い世代に支持され、同社のスマッシュヒット的な商品となった。
ちなみに、ニチモは「ジムニー」を気に入っていたようで、「スズキ ジムニー8 4WD」、「ジムニー8 クロスカントリー」、「スズキ ジムニー8(幌・人形付き)など、いくつものバリエーションを発売している。
なお、ニチモ以外のメーカーでは、有井製作所(現・マイクロエース)からゼンマイで走行する「ジムニー」が1/24で(’70年11月発売、当時価格は200円)、ナガノからはディフォルメされた「スズキ ジムニー」と「スズキ ジムニー ウィンドウサーフィン」が、ゼンマイ動力のスナップキットで発売(’82年1月発売、当時定価は200円)されている。
(文:岸川靖、企画協力:藤田幸久、田中晋治、モノ・マガジン2017年8月16日・9月2日号より転載)
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