ウラジオストク旅行に女性が熱を上げるワケ

2時間でいける「お気軽ヨーロッパ」の醍醐味

老若男女に憩いの場となっているアドミラーラ・フォーキナー通り(筆者撮影)

これまでロシアは観光国としての評価は決して高いとはいえず、加えてビザ取得の煩雑さもあり、一般の日本人旅行者が気軽に行ける国ではなかった。だが、ロシア政府はプーチン大統領主導のもと、ワールドカップ誘致や経済活性化に取り組み、観光インフラも急速に整えつつある。

実際ワールドカップを6大会連続で取材したジャーナリストは、ロシアの快適さに驚いたという。

「2012年のサッカー欧州選手権では、隣国のウクライナのインフラや観光面が整っていないことに愕然としました。2010年の南アフリカ、2014年のブラジルと比較しても、ロシアとは雲泥の差がありました。ホスピタリティ精神があり、国として観光を盛り上げようという意思を感じました。実際、参加国でない中国やアジア圏の人々、中南米の国の人たちを街中でよく見掛けましたよ。私がワールドカップを取材した中では、移動の面も含めていちばん快適に過ごせた国ですね」

ロシアにははたして、観光大国となりえる“土壌”があるのか。観光客が急増するウラジオストクに足を運び、観光都市としての魅力を探った。

韓国・中国から圧倒的な支持を集める市場

成田空港から飛行機で2時間弱。ウラジオストク国際空港に到着すると、まず韓国や中国といったアジアからのグループ旅行者の多さが目に留まった。そこで、30代前半の韓国人女性2人組に何を目的にウラジオストクに来たのか尋ねてみた。少し間を置いた後、「ショッピング、トレッキング、ビュー」と笑顔で答えてくれた。

シベリア鉄道の始発点である、「ウラジオストク駅」に到着する列車(筆者撮影)

実は日本に先立つ2014年、ロシアと韓国との間でノービザ協定が結ばれている。ウラジオストク専門のWebサイト、「ウラジオ・ドットコム」の運営者である宮本智氏はこう話す。

「中国や韓国といった東アジア圏の国で、ウラジオストクの旅行熱が年々高まっています。特に韓国からの20~30代の女性は街中でもよく見掛けます。この地を訪れる旅行者の特徴は、団体のツアー客だけではなく、個人旅行者が多いことでしょう。中国では、2010年から年間20万人超、韓国では近年では6万人を超える旅行者がウラジオストクを訪れます。旅行者全体で見ても、2017年は前年比で約13%増です。

日本の女性客も増え始めています。リピーターの数の多さも特徴です。実際に私のもとにも2回、3回と同じお客様が来るのも珍しくありません」

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