S&PがフランスをAAに格下げ 改革が不十分と警告
[シドニー 8日 ロイター] - 格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、フランスの外貨建て・現地通貨建ての長期ソブリン信用格付けを「AA+」から「AA」に1段階引き下げた。成長促進には現行の経済改革では不十分だと警告した。
ソブリン格付けの見通しは「ネガティブ」から「安定的」に変更した。
フランスは既に、格付け大手3社すべての最上級格付けを失っていた。さらにもう1段階の格下げを実施したのはS&Pが初めて。
S&Pは、フランスでは失業率が高く、抜本的な財政・構造改革をさらに進めるために必要な支持を得られなくなっていると指摘。同国の中期的な成長見通しが政府のマクロ経済改革で大幅に改善することはないと付け加えた。
格付け見通しを安定的とした理由については、政府が純債務の抑制に尽力するとのS&Pの見方を反映していると説明、今後2年でフランスの格付けが変更される確率は3分の1未満としている。
オランド大統領は、フランス国債の利回りは依然として低水準だと指摘。自身が率いる政府は福祉モデルを脅かすことなく可能な限りの歳出削減を実施することが可能と主張した。
現政権が進めている経済政策のみがフランスの信頼性を確実なものにできる、と世界銀行の会合で述べた。
市場の反応は限定的で、仏10年国債利回りは小幅な上昇にとどまっている。対独連邦債利回りスプレッドは3ベーシスポイント(bp)拡大し、48.5bp。
モスコビシ仏経済・財務相はS&Pの決定を受け、自国の国債が引き続き世界で最も安全で、最も流動性が高い資産の1つだ、との見解を発表。フランスに対する「的外れな批判」だと反論した。
声明では「経済状況を改善し、財政を健全化し、競争力を取り戻すための大胆な改革をここ18カ月で実行してきた」と指摘。国債の利回りはこれまでにないほど低水準で、その恩恵も受けていると付け加えた。
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