「いい男は皆結婚済み」と思う独身女性の限界 人生もお金もネガティブになってませんか?

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ここでもう一度A子さんとB子さんの違いを見てみましょう。A子さんにとって結婚は「依存」です。誰かに幸せにしてもらうことを漠然と期待しているので、自分自身の人生なのに「結婚というパーツがないから」と保留状態にします。「自分にとって、幸せとはなにか?」もあいまいなので、結婚したとしても、「与えられる生活」に不満を抱く確率も高そうです。

一方、B子さんは、「家庭を持ちたい」という自分の気持ちにとても素直に行動します。「自分にとっての幸せとはなにか」も、より具体的にイメージできているので、価値観を共有し共に暮らす「パートナー」という観点で結婚相手を考えます。幸せを具現化するので、ライフプランもより明確になります。「自分の人生は自分で作るもの」という主体的な気持ちがあるのです。

結婚は「ゴール」ではない

さらに言うと、A子さんは結婚を1つのゴールだと思っている節がありますがB子さんは「結婚はスタート」だという考えです。これは大きな意識の差です。ゴールならその先にはあまり興味を持てません。スタートだと思うのとは、意識が絶対的に違うのです。

人生にはたくさんリスクが潜んでいます。転職やリストラ、病気になることもあります。希望通りのキャリアが積めるとも限りませんし、家庭でも子どもを計画通り授かる人ばかりではありません。しかも子育ては想定外の連続です。だからこそ、ライフプランを描くことが大切なのです。「どうせ予定通りの人生なんてないのだから」と思うのは間違いで、変化することを前提に、しかしつねに思い描く「幸せ」を求めるための道筋を考えること、これがライフプランの重要なポイントです。

幸せな結婚がやってくることを待っているA子さんの場合、結婚しても今後の生活はB子さんよりリスキーだと言わざるをえません。「人生は相手次第」と思っていると、毎月一定額を夫から渡されやりくりすることに疑問も抱かず、家計全体として資産があるのかないのか、どういう保険に入るべきかにも興味を持ちにくいのです。働くことに対してもあまり主観的になれないので、「夫の万が一」の時など、さまざまな人生の変化の局面で対応が難しいのです。

しかし、A子さんの名誉のために言っておくと、何か人間として落ち度があるわけでも何でもありません。子どものころからいつか、「自分も優しい母のような専業主婦になりたい」と思っていたとのことです。それぞれの幸せを否定する権利などありません。なので、A子さんには少し今までとは違うイメージを持ってもらいました。10年後の「自分」、20年後の「自分」、30年後の「自分」です。話を進めるうちに少しずつA子さんにも「自分軸」が見えてくるのがわかります。

「たかが結婚相手選びに」と思う人もいるかもしれませんが、一時が万事です。人生は自分で作るものとぜひ主体性をもって、今の自分、これからの自分を考えてみていただければと思います。まずは「私の人生を幸せにする」ことを考えると、自分にかかわる大切な人達の「幸せ」が前提であることがわかります。「話し合い、共感しあいながらパートナーとライフプランを考える」――。読者のみなさんの参考になれば本当に幸いです。

山中 伸枝 ファイナンシャルプランナー、FP相談ねっと代表

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やまなか のぶえ / Nobue Yamanaka

FP相談ねっと代表。一般社団法人公的保険アドバイザー協会理事。アメリカ・オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。「楽しい・分かりやすい・やる気になる」ビジネスパーソンのためのライフプラン相談、講演を数多く手掛ける。大手新聞社主催のiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAセミナーの講師など登壇も多数。金融庁のサイトで、有識者コラムを連載。著書に『「なんとかなる」ではどうにもならない 定年後のお金の教科書』(インプレス)、『ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本』(翔泳社)、『100人以下の会社のためのiDeCo&企業型DC楽々活用法』(日本法令)ほか。公式サイト

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