「根本に立ち返る」スバル株主総会で吉永社長 株主からは不正への質問相次ぐ

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 6月22日、SUBARU(スバル)は東京都内で定時株主総会を開いた。吉永泰之社長は冒頭、新車出荷前の無資格者検査や燃費などの検査データ不正問題が起きたことを陳謝した。写真は同社のロゴマーク。3月撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

[東京 22日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>は22日、東京都内で定時株主総会を開いた。吉永泰之社長は冒頭、新車出荷前の無資格者検査や燃費などの検査データ不正問題が起きたことを陳謝。「いま一度根本に立ち返り、真の実力を高める」と述べ、信頼回復に努めるとした。

不正発覚の経緯や再発防止策なども説明。法令順守を徹底し、「技術の個性で戦っていく」と強調した。

株主からは、不正に関する質問が相次いだ。不正の調査方法や調査の範囲などを問う声や、「社長はどのくらいの頻度で工場に足を運び、現場の意見を聞いているのか」「米国での販売に影響はないか」などの質問も出た。ただ、複数の質問者が、長年スバル車を乗り続けるなど熱心なスバルファンを意味する「スバリスト」を自ら名乗り、スバルや吉永社長を応援する声もあった。

ある株主は、総会召集通知書の中の「技術偏重の風土を背景とした業務の公益性・重要性に対する自覚の乏しさ」といった表現を取り上げ、「技術偏重だからこそ『アイサイト』などのスバルらしい商品が生まれた。その風土は見直すべきではない」とも意見した。これに対し、吉永氏は「われわれの売りは技術、技術陣。技術が当社の財産であることは間違いない。そこは変えずに法令順守を徹底したい」と回答した。

総会には、昨年より300人増となる851人の株主が出席。質問者は昨年7人の倍以上となる18人で過去最多だった。総会の所要時間は2時間21分と過去最長となった。

吉永氏は本総会をもって社長を退任し、最高経営責任者(CEO)も辞任、代表権のない会長に就いた。中村知美専務執行役員が新社長に昇格した。一方、吉永氏は相談役制度の廃止も明らかにした。新経営体制での中期経営計画は今夏にも発表する予定。

(白木真紀)

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