87歳バフェットに学ぶ億万長者への9つの視点 なぜアップルを評価し仮想通貨はダメなのか

会社の広報ビデオがすごすぎる！！

9時半からのQ&Aの前に、株主お楽しみの企業紹介ビデオが1時間ある。通常ならいかにも長そうだが、決してそうではない。バフェットのアイデアや人格、ユーモアがフルに詰め込まれたビデオだ。

バフェットとチアガールのポスター。傘下企業のYシャツ宣伝に一役。「ごめんなさい、ウォーレン。良いのはあなたじゃなくてYシャツのほうよ」というコピーもふるっている（筆者撮影）

一般の株主総会では決して感じられない気持ちを味わえるが、このビデオは、出演者は無料奉仕で著作権のからみから、リアル総会のみで視聴可能である。出演するお歴々は、ビル・ゲイツ、アーノルド・シュワルツェネッガー、ボクシングのフロイド・メイウェザー、元ヤンキースのアレックス・ロドリゲス……。

超一流の人物がみなボランティア出演しているから驚く。バフェットとビル・ゲイツが傘下企業のネブラスカ・ファーニチャー・マートで、1つのベッドに寝そべってジョークを飛ばしたり、シュワルツェネッガーが、ジムでバフェットの背中を足で押さえて、腕立て伏せを無理やりさせたり、メイウェザーとの真剣勝負のボクシングマッチ、バフェットが満員のスタジアムでロドリゲスを空振り三振に抑えたりと、ユーモア満載だ。いかにバフェットが遠路はるばるやってきた株主を喜ばせようかと苦心しているのが、よくわかる。

そして、いよいよ午前9時30分からお目当ての株主からの質問コーナーが始まる。12時まで2時間半その後1時間の休憩をはさんで、午後1時から3時30分まで2時間半の合計5時間。まさにマラソンQ&Aだ。オハマ最大のアリーナは1万8000人収容可能だが、4万2000人が集まる中で、入れる人数は半分に満たない。あとの入れない人は特設会場での視聴となる。このマラソンQ&Aは、87歳のバフェットと94歳のマンガーの独壇場だ。事前に質問については知らされず、ぶっつけ本番。60前後出される、どんな質問にも答えようとする。このために来た株主はすべての人が、この5時間の間、バフェットとマンガーの言葉に集中しているのには驚くばかりだ。「こんな株主総会は世界でただ一つだ」という言葉に、まさにうなずけるのである。