「クロちゃん」が嘘つきでも人気を集めるワケ

芸人としての意識の低さが笑いを生む

その後、番組の企画で「教育入院」を経験し、一時は反省したかに見えたクロちゃん。

しかし、実際にはその後も不摂生を続けていて、慢性腎臓病であると診断されていました。医師の忠告を無視し続けてどんなに批判されても、クロちゃんにはまったく悪びれる様子がありません。

ドッキリ企画で高い評価を得る

そんな彼が好かれているかどうかはともかく、これらの番組を見ている人にとって目が離せない存在になっているのは事実です。クロちゃんはなぜこれほど注目を集めているのでしょうか。

クロちゃんが『水曜日のダウンタウン』にたびたび出演するようになったきっかけは、2015年に放送された『チーム有吉』(TBS系)という特番にあります。この番組では、有吉弘行さんとおぎやはぎの2人が、芸人引退をかけてさまざまな企画に挑戦していました。深夜番組ということもあり、着地点が定まっていないように見える実験的な企画が多いのが印象的でした。

その中で、企画に関して何も聞かされていないクロちゃんが、目隠しをしたままスタジオに現れるという場面がありました。有吉さんたちにあれこれ話しかけられると、クロちゃんは戸惑いながらも絶妙に面白いリアクションを返してきます。わざとらしく大げさに驚いたりせず、静かにその異様な状況を受け入れてたたずんでいる姿が何とも言えない笑いを誘っていました。

TBSテレビの演出家である藤井健太郎さんは、この企画でクロちゃんのポテンシャルの高さを再認識して、『水曜日のダウンタウン』でさらにその可能性を掘り下げていきました。そこでクロちゃんは、大掛かりなドッキリを仕掛けられると常に予想を上回る反応を返していきました。そんな彼はいつのまにかこの番組に欠かせない人材になっていました。

クロちゃんは芸人ではありますが、自分から積極的に発言したりするタイプではありません。ただ、ドッキリ企画などで何らかのシチュエーションが与えられたときに、その場で笑いにつながる的確な返しをする能力だけが突出して高いのです。漫画『キン肉マン』に出てくる返し技の達人「ジェシー・メイビア」のように、相手の力を利用して技をかけるときに真価を発揮するのです。

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