米インテル決算、市場予想わずかに上回る 新CPUの生産は後ずれ

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10月15日、米半導体大手インテルが発表した第3・四半期決算は、市場予想を上回った。写真は同社のロゴ。2011年10月撮影(2013年 ロイター/Nir Elias)

[サンフランシスコ 15日 ロイター] - 米半導体大手インテルが15日発表した第3・四半期決算は、純利益、売上高とも市場予想をわずかに上回った。ただ今第4・四半期の売上高予想は市場予想より低く、「Haswell」の後継プロセッサ「Broadwell」の生産開始が遅れる見込みを示した。

決算発表後のアナリスト会議で、クルザニッチ最高経営責任者(CEO)は「Broadwell」の準備が技術的な問題で予定より3カ月ほど遅れていることを明らかにし、生産開始が来年第1・四半期にずれ込む見通しを示した。スミス最高財務責任者(CFO)は、第4・四半期の粗利益率には影響せず、インテル製品の競争力が低下することはないと説明した。 「Broadwell」の遅れについて、FBRのアナリスト、クリス・ロランド氏は、売上高への影響はほとんどない、と予想したものの、投資家は技術的な問題に敏感で、その点で一定の影響はあるとの見方を示した。

タブレット端末やスマートフォン(スマホ)の人気化で、PC(パソコン)市場は縮小。これに対応し、インテルは2013年の設備投資目標を110億ドル前後(プラス/マイナス5億ドル)から108億ドル前後(同)に引き下げた。 クルザニッチCEOは5月に就任して以来、携帯端末向け半導体の強化に取り組んでいる。インテルは最近、メガネ型や時計型など体に装着して使うウェアラブル端末向けの超小型チップを発表。クルザニッチCEOは、携帯端末向けチップ「Bay Trail」がさまざまなタブレット端末に搭載されると自信を示しているが、実際の採用状況や粗利益率押し上げ効果は依然不透明だ。

第3・四半期の粗利益率は62.4%。第4・四半期は61%と予想した。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリストの予想は、第3・四半期が60.92%、第4・四半期は60.98%。

第3・四半期純利益は29億5000万ドル、1株当たり0.58ドル。アナリスト予想は0.53ドルだった。前年同期は29億7000万ドル、同0.58ドルだった。

売上高は134億8000万ドルで、前年同期の134億6000万ドルからほぼ横ばい。アナリスト予想は134億6300万ドルだった。

インテルは第4・四半期売上高を137億ドルプラス/マイナス5億ドルと予想した。アナリスト予想は140億0400万ドル。

15日の通常取引を0.26%安で終えたインテル株は、時間外で2.31%下落した。

 

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