森友問題、「決裁文書改ざん」の呆れた行状

財務官僚の手厚い"忖度"が白日の下に

①「打ち合わせの際、『本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた。』との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)」

②「記事の中で、安倍夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される」(いずれも「普通財産の貸付けに係る承認申請について・平成27年2月4日」と「普通財産の貸付けに係る特例処理について・平成27年4月30日」の「別紙1」の「これまでの経緯」)

いずれも昭恵夫人の「安倍首相夫人としての政治力」を利用しようとした籠池氏からもたらされた情報で、それを重視した近畿財務局が記録したものだ。削除されたのは、公表されては官邸にとってまずいと判断されたからだろう。

3月12日、首相官邸前で辞任を求めて抗議する人々(写真:REUTERS/Kim Kyung-Hoon)

さらに昭恵夫人の政治力を頼みにしていたと伺えるのが、「『学校法人 森友学園』の概要等」の中の削除された「(参考)森友学園への議員等の来訪状況」の箇所だ。中山成彬衆議院議員や平沼赳夫前衆議院議員の講演や、三木圭恵元衆議院議員、杉田水脈衆議院議員、上西小百合前衆議院議員ら日本維新の会女性局(当時)の来訪歴ともに、「平成26年4月 安倍昭恵総理夫人 講演・視察」と記載されていた。

森友学園に対して特別な計らいがあったことは明らか

そもそも森友学園では「教育講演会」と題し、多くの著名人を講師として招いている。たとえば百田尚樹氏が2016年11月、竹田恒泰氏が2011年5月と2013年5月、中西輝政京都大学名誉教授が2012年5月、櫻井よしこ氏が2011年11月に森友学園を来訪し、園児の父兄に政治や宗教、精神論などを説いた。

これらそうそうたる著名人を差し置いて、私人として昭恵夫人の名前だけがリストに掲載されたのは、やはりその政治力ゆえだろう。文書の作成者たる近畿財務局はそれを十分に理解していたため、決裁文書を改ざんしたに違いない。

理財局から森友学園に対して特別な計らいがあったことは、安倍昭恵夫人の名前だけではなく、交渉経緯も削除されたことからも明らかだ。たとえば2015年4月28日の「普通財産決議書(貸付)」や2016年6月14日の「普通財産売払決議書」からは、「特例的な内容」が消されている。また当該土地の貸付料について「年間の支払い回数については、学園の要請により年12回としている」が削除された。

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