1ドル=105円後半、米の関税措置はどうなるか 市場は「世界的な貿易戦争突入」かを見極め
[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点から小幅安の105円後半。市場の関心は、早ければ今夜にも明らかになる鉄鋼とアルミニウムに関する米関税措置の詳細に集中。世界的な貿易戦争に本格突入するのか、固唾を飲んで見守っている状況だ。
東京市場のドルは105円後半から106円前半の狭いレンジ内で小動きに終始した。報道によると、トランプ大統領が輸入関税を命じる文書に署名する式典は日本時間9日午前5時半から行われる予定。ただ、大統領の布告に適用除外の対象国リストが盛り込まれるかは現時点で不明のうえ、署名は9日に後ずれするとの報道もある。
一方、ホワイトハウスの報道官がカナダやメキシコなど一部の国を除外する可能性に言及したことを受けて、市場では「報復関税の導入など全面的な貿易戦争には至らないのではないか」(邦銀)と安堵(あんど)の声も上がっている。
当初は「例外なし」(ロス商務長官)との強硬姿勢が、株安やリスク回避の円買いの手がかりとなっただけに、あっけない方針転換は、きょうにかけて円売りなど反対売買を促す一因となった。
市場では、ペンシルベニア州で今月13日に行われる下院の補欠選挙が話題となっている。昨年12月のアラバマ州、2月のケンタッキー州と議会補選は与党共和党が連敗中。鉄鋼大手USスチールが本社を構える鉄鋼業の街ピッツバーグを含む同州の補選を前にした「突然の(関税措置)発表は、補選を意識した演出である可能性がある」(野村証券)という。
「森友決済文書書き換え報道」には冷静
財務省は8日午前、参議院予算委員会の理事会に学校法人「森友学園」に関する決裁文書の原本の写しを提出した。野党側によると財務省は「現時点で出せるものはこれが全て」と説明したが、反発した野党は参院予算委を欠席。衆院で午後に予定されていた本会議は流会となった。
ただ市場では現時点で「米国の輸入関税措置の方が重要なテーマ」(国内金融機関)として反応は乏しかった。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 105.96/98 1.2401/05 131.43/47
午前9時現在 106.16/18 1.2410/14 131.78/82
NY午後5時 106.06/09 1.2412/15 131.63/67
(為替マーケットチーム)
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