「各停だけ・接続なし」で利用者が多い駅は? 急行停車駅を上回る乗降客数の駅もある
ただし、大学・学校の最寄り駅については面白いデータがある。私鉄とは離れるが、JR山手線の目白駅はやはり「他路線との接続がない駅」で、周辺には学習院大学・学習院中等科・高等科、日本女子大学、川村中学校・高等学校と学校が数多く存在する。ところが1日平均乗降客数は3万7939人と、獨協大学前の5万7480人よりだいぶ少ない。これは東武伊勢崎線の立地的条件に由来するのだが、理由は後述する。
さて、次は小田急小田原線に目を向けてみよう。4位に千歳船橋、11位に祖師ヶ谷大蔵、14位に狛江の3駅がランクインしているが、この3駅は今年(2018年)3月17日のダイヤ改正で準急停車駅になる。
小田急小田原線は1980年代の終わりから、東北沢―和泉多摩川間の複々線化工事を進めてきた。その最後の区間が3月3日に完成し、同月17日にはラッシュ時の増発などをはじめとするダイヤ改正を行うが、これによって3駅への準急停車も実現することになったのだ。ダイヤ改正で小田急は京王線と競合する多摩ニュータウン方面への輸送を大幅にテコ入れするが、千歳船橋の乗降人員は小田急多摩センター(5万0585人)より多い。
ところで、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵は、「東京都の人口総数番付」では断トツの第1位(87万7138人)である世田谷区内なので、利用者が多いのはわかる。だが、狛江はちょっと意外にも思える。狛江市の人口は、都内全市区町村62地域の中で43位と下から数えたほうが早いのだ。同駅は両隣の和泉多摩川、喜多見と比べて周辺からのバス路線が充実していることが関係しているかもしれない。同駅は、ダイヤ改正前の現在でも朝ラッシュ時新宿までの所要時間は25分前後(成城学園前で急行に乗り換えた場合)。昼間の準急停車で利便性はますます向上しそうだ。
ちなみに、「急行通過駅」であれば、準急が各駅に停まる区間にある鶴川の乗降客数が6万9224人で、この3駅を大きく上回る。
東上線も上位にランクイン
つづいて、いよいよ上位トップ2をご紹介。第2位は東武東上線の東武練馬(6万0246人)。駅名に反して練馬区ではなく板橋区にある駅だが、ここは駅周辺に大型商業施設がいくつも存在し、近年利用者数の増加傾向が続いている。何しろ、急行停車駅である成増(5万9147人)を上回っているのだ。
東上線は、このほかにも上板橋(7位)、大山(8位)、ときわ台(12位)、中板橋(48位)と、池袋に近い各駅停車のみの駅が軒並みランクインしている。これは池袋―成増間に8駅もの間、優等列車の停車駅がないという特徴によるものだろう。ターミナル駅に近く周辺人口の多い近距離区間を各停のみで賄っていることが、上位にランクインする理由と考えられる。中距離~遠距離利用者と近距離利用者を分離するという点では、この停車駅パターンは成功していると言える。
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