長期金利、望みもしない過剰な低金利に?

市場動向を読む(債券・金利)

一方で、経済ファンダメンタルズと整合的な水準に近づいている長期のフォワード金利は、短期的な景気の強弱によって振れる幅は限られるはずである。また、もし量的緩和の縮小開始が先送りされ続けたとしても、大幅な低下も生じないはずである。

結果として、米国債の10年金利は、簡単に3%に再接近することもない一方で、今年前半までのように2%を割り込んでいくような動きにもならないだろう。FRBのメンバーの中心的な予測どおりに2015年から利上げが始まっていけば、次第に10年債など長期ゾーンの金利水準も切り上がってくることにはなろう。しかし、2014年前半ぐらいまでのスパンでみれば、米国の長期金利がそれほど大きく水準を変えることはないのではないか。

銀行の資産は国債から当座預金へ置き換わった

こういった米国の長期金利についての見方を踏まえたとき、日本の長期金利が今後しばらくどのような動きを示すとみるべきだろうか。

日銀の「異次元緩和」の導入以降、日本の国債市場では「管理相場」とも言うべき状況が日に日に強まってきていることは、9月6日の当欄においても指摘したとおりである。日銀が国債発行の7割を市場から購入していくという極端な状況の反対側では、銀行が国債を売却してその見合いに膨大な当座預金残高をバランスシートに抱える構図となっている(図)。銀行のバランスシートにおいて「資産の流動化」がすさまじいスピードで進んでいることになる。

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