なぜ「離婚男性」の病気死亡率が高いのか 糖尿病で妻帯者の12倍、死別者よりも高水準

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驚くことに、ほぼすべての死亡原因について、離別男性の病気罹患による死亡率が高いことがわかります。特に、糖尿病に至っては、有配偶男性の12倍、肝疾患も9倍近くです。配偶関係と病気による死亡との因果関係についてはこれだけでは語れません。離別前に健康を害していた可能性もありますから。しかし、少なくとも、ほとんどの病死において離別者の死亡率が圧倒的に高いということは何らかの関係性があると見たほうがいいでしょう。

糖尿病や心疾患、脳血管疾患などは生活習慣のうち特に食生活に大きく影響を受けます。配偶者がいて規則正しく栄養に偏りのない食生活をしていれば予防できた部分かもしれません。しかし、配偶者の有無で言えば、未婚者も死別者も同様のはずです。どうして離別者の糖尿病による死亡率だけ突出して高く、未婚者の2倍以上もあるのでしょうか?

グラフは割愛しますが、こうした現象は女性では見られません。当然、女性も有配偶者に比べて独身のほうが病気死亡率は全般的に高いのですが、それでもせいぜい肝疾患が有配偶者の4倍程度がマックスで、男性ほど極端に離別・死別者の死亡率が高いということはありませんでした。離別した男性だけが65歳未満にもかかわらずこれだけ多く病気で死亡してしまうわけです。

日本人は根本的に配偶者との別離に弱い傾向があります。2010年に実施された内閣府の国際比較調査(各国60歳以上の高齢者を対象)によれば、「心の支えとなっている人」として、配偶者の割合がほかの国々と比べて日本人男性は目立って高いことがわかります。

アメリカ男性と比べて20ポイント以上、ドイツ男性と比べても10ポイントも高い。ただし、スウェーデン男性だけは日本人を上回っています。そして、女性は各国ともに配偶者より子どもが心の支えという人が多いのが特徴です。また、西欧人と比べて日本人は友人・知人を頼らない(頼れない)傾向も顕著に見られます。アメリカ男性の39%に対して、3分の1の12%しかいません。

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