東京五輪も後押し、東京・京橋の「御神輿」 地元っ子が応援する都心再開発と東北復興

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「秋の収穫祭」には福島県飯舘村の女性たちも招待され、手作り商品を販売する(写真は仮設住宅の集会場で縫い作業をするカーネーションの会の女性たち)

再開発といえば、開発側と地元住民の間で軋轢が生じがちだが、この地域ではまったく違った形となっている。町会関係者は「新ビルの入居店舗の皆さんと町会が手を組んで京橋をさらに活性化させることを目指している」と説明する。

イベントの目玉である御神輿がお囃子に乗って担ぎ出される「神輿御渡開始」は、29日13時。東京スクエアガーデンの外周などを練り歩くことになっている。当日は、多くの「御神輿」マニアが担ぎ手として集まることになりそうだ。

全村避難の福島県飯舘村のブースも設置

このイベントには、東日本大震災・原発事故の影響から全村避難という過酷な状況にある、福島県飯舘村の人たちが招待されている。仮設住宅に住む一部の女性たちが作った手作り商品製作グループだ。

飯舘村の女性たちの活動を知った京橋三丁目町会の人たちが、テント、テーブルなどを設営して同グループの手作り商品の販売ブースを提供し、その活動を応援する。他人のためには一肌脱がずにいられない、下町気質の現れといえる。

さらに、設営されたステージでは落語会、音楽演奏などの催しも行われるほか、野菜、花卉などの販売ブースも出展する。

開催場所は京橋交差点付近。東京駅から徒歩10分。東京メトロ銀座線京橋駅からは地上に出たところが開催場所だ。今のところ、開催両日の天候は良好な見通し。秋空の下、都心有数のオフィス街を江戸っ子たちの担ぐ御神輿が練り歩くことになりそうだ。

(撮影:今井康一〈東京スクエアガーデン〉、梅谷秀司〈飯舘村・カーネーションの会の女性たち〉)

浪川 攻 金融ジャーナリスト

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なみかわ おさむ / Osamu Namikawa

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカー勤務を経て記者となる。金融専門誌、証券業界紙を経験し、1987年、株式会社きんざいに入社。『週刊金融財政事情』編集部でデスクを務める。1996年に退社後、金融分野を中心に取材・執筆。月刊誌『Voice』の編集・記者、1998年に東洋経済新報社と記者契約を結び、2016年にフリー。著書に『金融自壊――歴史は繰り返すのか』『前川春雄『奴雁』の哲学』(東洋経済新報社)、『銀行員は生き残れるのか』(悟空出版)などがある。

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